一般向け/高校生向け楽しい化け学
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さてさて、今日はホウ砂の結晶作りのレポートをしたいと思います。

かねてより筆者はホウ砂の結晶作りに励んでいました。

まずはおさらいから。


◎ 2011年2月18日(約5ヶ月前)実験

はじめに結晶作りを始めたのは2011年2月18日です。
(2011/2/19の記事「結晶作りは難しい」参照)

ホウ砂Na2B4O5(OH)4・8H2Oの飽和水溶液に種結晶を吊るし溶媒蒸発法による再結晶で種結晶の成長を試みました。


ホウ砂種結晶をつり下げたホウ砂飽和水溶液 2011/2/18 筆者撮影


残念ながら大失敗でした。

というのも

・種結晶とエナメル線の結びつけが弱く、落ちてしまう。

・種結晶が少し溶けてしまう。
(ホウ砂飽和水溶液が飽和しきってなかったか、大きく過飽和状態になったからか?)

というのが原因でした。

そして次に改良を加えました。


◎ 2011年4月30日(約2ヶ月前)実験

次に結晶作りを試みたのは4/30でした。
(2011/4/30の記事「続・結晶作り」参照)

種結晶とエナメル線をしっかり結びつけることにしました。

手順としては

1)エナメル線をアルコールランプで加熱

2)それを種結晶に突き刺して融解させ先端を埋め込むことで固定

でした。


種結晶付きエナメル線 2011/4/30 筆者撮影


また、

・ホコリが入らないようにしつつ通気性を持たせるフタが必要

・振動がないところに静置する

という結晶作りの原則があるので、それを考慮しつつ次の4パターンで5つの容器に仕込みをしました。

(A) ペットボトルの口部分を切断し作ったPETカップにティッシュを被せフタにしたもの。
  (×2個)

(B) ビーカーに、フタとして(A)で副産した穴が開いたドーム状のPETボトルの口部分を被せたもの。

(C) 試験管(フタなし)

(D) ツナ缶の空き缶にティッシュを被せたもの。

です。

また、全て振動のないタンスの上に静置しました。

結論を言うと、(D)ツナ缶だけ成功

(A)~(C)はやはり種結晶が溶ける&落ちてしまいました。

さらに、(B)はホコリがやたらと入ったし、(C)は口が小さすぎて蒸発しない。

(B)は十分蒸発はしたが、種結晶が溶け落ちたのが致命傷。


ツナ缶の条件では径が3mm程の種結晶から、径がおよそ1.5cmの大きな単結晶に成長できました。


溶媒蒸発による再結晶により成長した硼砂の結晶 2011/7/1 筆者撮影


ツナ缶は口が広かったので水がよく蒸発し、ティッシュは通気性が良好でかつホコリ耐性がかなり高かったのが良かったようです。

強いて言うなら、放置し過ぎて全ての水が蒸発してしまったことが反省点です。
(だから底にたくさんの結晶が析出してしまった。溶液が減ったら飽和水溶液を足して結晶が浸かっている状態を保つべきでしょう。)


以上より、いくつかわかったことがあります。

・エナメル線と種結晶は、溶接などでしっかり繋げるべき。

・種結晶は少し大きめのが良い。
 小さいと落ちたり、過飽和で少し解けたときに消え去ってしまう。

・容器は口が大きいのが蒸発しやすくてよい。

・フタはティッシュが最適。通気性、耐ホコリ性が高い。

・溶液は全て蒸発させないよう、ときどき足す。
 干からびると底に粗な結晶が析出して邪魔になる。
 また途中で結晶の頭だけが溶液から出る形になるから形がいびつになる恐れがある。

です。

ちなみに大きめの種結晶は、飽和水溶液をホコリが入らないように放っておいて水を蒸発させると容器の底にそれなりに生じます。


以上です。

種結晶を少し大きめのを使ってもう少し実験してみます。

ちなみに、ホウ砂の結晶作りはなかなか難易度が高いのではないかと思う今日この頃。

ホウ砂は水和水を持った結晶であり、加熱をしたり空気にさらしたりすると結晶水を失う。
(後者がいわゆる「風解」。)

だから加熱したエナメル線を突き刺すと、水が飛んでやたらと大きな穴があいてスカスカになり繋げるのが難しい。

ミョウバンなんかの結晶作りはポピュラーですが、これは結晶性が高く、かつ温度での溶解度差が大きいので「加熱→冷却」型の再結晶で綺麗に大きく結晶が育つからのようです。

まず難易度の低いヤツで練習すべきかもしれません。

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