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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日は実験のプレゼンの割り当てが発表されました。

筆者は以前やった、サリチル酸のアセチル化によるアセチルサリチル酸の合成のプレゼンをすることになりました。
「今日の分子No.57 :アセチルサリチル酸」参照)

近年、大学ではプレゼンの練習に時間を割くようになっているようです。

というのも、いくら勉強ができたとしても、発表能力・チームワーク力等がなければ結局社会に出ても役に立てないからです。

発表能力(表現能力)を鍛えるのには実験のプレゼンは最適です。

企業の入社試験の時も自分が論文に書いた研究についてのプレゼンをやらされたりするようです。



さて、いつも書いているように筆者は無駄に物質の構造や実験装置のお絵かきが好きです。

プレゼンに向けてアセチル化反応装置の図をざっと試作してみました。


アセチル化反応装置の図(試作)。ChemSketchAdobe Illustratorで作成。


リービッヒ冷却管は「蒸留の時に使う」と高校で習いますが、実際は反応容器(ナス型フラスコ)に縦に刺して使うこともかなり多いです。

これは「還流」という加熱操作で、加熱で溶媒が沸騰して気化しても冷却管で冷却されて液体に戻って、またフラスコに落ちてくるから減らなくて合理的、というためです。

ちなみにこの時も「冷却水は下から入れて上から出す」はもちろん鉄則です。

まあ実は上の図での操作では実際は温度が低い穏やかな環境で反応を行っているので、「還流」とまでは気化・液化が起こっていないので水を流す必要もあまりないのですが、念のため。


あと、「ドラフト」と図中にありますが、ここではこれは要するに”排気口”のことです。

反応によって有毒ガスや刺激性ガスが出る場合は、実験者が吸い込んでしまわないように排気口まで直接ゴム管で誘導します。

この実験の場合ですと、冷却管があるとはいえ、溶媒である刺激性の無水酢酸や副生してくる酢酸が出てくるため付けています。


ちなみに、ナス型フラスコと冷却管をつないでいるところの横に描いてる”黒いの”はバネです。

冷却管やナス型フラスコには”爪”がついていて、ここ同士をゴムやばねでひっかければしっかり連結してくれるということです。
(バネ等を付けなければもちろんすっぽ抜けます。)
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