一般向け/高校生向け楽しい化け学
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前回記事で油脂について紹介しました。

今回はそれに関連して、油脂の親戚の「蝋」を紹介しましょう。


今日の分子No.66 :パルミチン酸ミリシル CH3(CH2)14COOCH2(CH2)28CH3


ChemSketchで作成、Jmolで描画


脂肪酸であるパルミチン酸C15H31COOHと、高級一価アルコールであるトリアコンタノールCH3(CH2)28CH2OHとのエステル。
(炭化水素基CH3(CH2)28CH2-をミリシル基と言います。)

ミツバチの巣を形作る蜜蝋の主成分。

代表的な蝋である。

蝋状の固体。
(「蝋状」というか、蝋そのものです。笑)

床に塗るワックスとして、蝋燭として、クレヨンや絵具などの画材の材料として、幅広く用いられます。


油脂は高級脂肪酸とグリセリン(3価アルコール)であるエステルでした。

一方、蝋は高級脂肪酸と高級一価アルコールのエステルです。
(中にはトリグリセリドであるが慣用的に蝋とよばれるものもあるようです。また、2価アルコールのエステルのものもあるようです。「蝋」の定義は曖昧であるとのこと。)

果実に例えると、油脂が房が3つのバナナ型分子なのに対し、蝋は房1個ヘタ1個のトウガラシみたいな形の分子です。

また、"ヘタ"は油脂はグリセリンですが、蝋は色々な種類の高級アルコールであるという違いがあります。



油脂(バナナ型分子)と蝋(トウガラシ型分子)


具体例として、蝋には上記のようなパルミチン酸ミリシル等があります。

蝋は可燃性で、古来よりロウソクに使われたりしています。


余談ですが、最近のロウソクは「燭」ではありません。

あの白い蝋っぽいのは蝋(高級アルコールの脂肪酸エステル)ではなく、高級パラフィン(高級アルカン)です。

今やミツバチの巣から取るより石油から作る方が楽になってしまったようです。


◎ 参考

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