一般向け/高校生向け楽しい化け学
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前回記事「アセチルフェロセンの結晶」と関連して再結晶法について書きます。

再結晶法は合成化学において非常に重要なウェイトを占めます。


便宜上、まず溶解度曲線から説明します。

例えば、硝酸カリウムは40℃の水100gに64gまで溶ける。

30℃の水100gには46g溶ける。

20℃の水100gには32g溶ける。

0℃の水100gには13g溶ける。

・・・っというように、色々な温度の水に溶ける硝酸カリウムの最大量をグラフにすると下図のようになります。

この曲線のことを溶解度曲線と言います。




◎ 用語説明;

溶媒:物質を溶かし入れる液(例:水)

溶質:溶媒に溶かす物質(例:硝酸カリウム)

・(或る温度における)溶解度:(或る温度において)物質が溶ける最大量

・溶解度の単位の「g/100g水」:「水100gに○○gの物質が溶ける」ということ。

飽和水溶液:物質が最大量まで溶けた溶液


溶解度曲線を読むと、好きな温度における物質が溶ける最大量がわかります。

例えば上のグラフを読むと、60℃の水100gに硝酸カリウムは109g溶けることがわかります。

同じくグラフを読むと25℃では水100gに36g溶けるので、60℃の水100gに硝酸カリウムを103g溶かした飽和水溶液を25℃まで冷却すると、その差103g-40g=63gの硝酸カリウムが溶けきれずに析出してきます。

グラフでは、下図のように曲線上の二つの点の高さ(溶解度)の差がそれに対応します。




このように、水溶液を冷却すると溶けきれなくなった物質は結晶として析出します。

このようにして結晶を作る操作を再結晶といいます。


また、溶液の濃縮(例えば水溶液を放置して水を蒸発させる)して濃度を高めて溶けきれなくなった物質を結晶として取り出す操作も再結晶といいます。

例えば25℃の水100gに硝酸カリウムは40g溶けますが、水25gには1/4の10gしか溶けません。

だから、25℃の水100gに硝酸カリウム40gを溶かした飽和水溶液をしばらく放置して水75gを蒸発させると、その差40g-10g=30gの硝酸カリウムが溶けきれずに析出します。

例えば、2011/4/30の記事で硼砂飽和水溶液の水を蒸発させることにより硼砂を再結晶し結晶を成長させようとしましたが、その結果が下の写真です。


溶媒蒸発による再結晶により成長した硼砂の結晶 2011/7/1筆者撮影


最初小さな種結晶を吊るしていましたが、溶けきれなくなった硼砂が析出してより大きな結晶に成長させることができました。


本題の「分離操作としての再結晶法」については次回の記事に続きます。

続き:「再結晶法(その2:分離手段)」

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