一般向け/高校生向け楽しい化け学
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最近忙しくて更新が滞ってますが、筆者は生きています。


ところで、一昨日綺麗な写真を撮ったので上げてみます。



アセチルフェロセンの結晶(ヘキサン溶媒に浸かっている) 2011/6/28 筆者撮影


アセチルフェロセンという物質の結晶。

フェロセンという物質をアセチル化し、生成したアセチルフェロセンをヘキサン溶媒中で再結晶で析出させたところです。

結晶はウニのように全方向に放射状に針状の結晶が成長しています。

このような形の結晶を化学的には「菊花状結晶」といいます。

ちなみに溶媒から減圧濾過によって結晶を取り出すと↓こんな感じです。



アセチルフェロセンの結晶 2011/6/28 筆者撮影


ろ過するときにせっかくの綺麗な結晶を壊してしまうのがもったいない・・・


実は有機合成で或る意味最も大切なのは分離精製。

これができなければ合成しても取り出せないわけなので、どうしようもない。

分離操作として再結晶はかなり有効です。

不純物を少なくかつ多くの生成物を析出させるには、できるだけ少ない溶媒でゆっくりと冷却することが重要。

しかし一方で溶媒が少なすぎると不純物も析出してきたり、結晶が大きく育たなかったりするのでなかなか大変。

再結晶に失敗すると不純物だらけだったり、収率がだだ下がりになったりしてしまいます。

再結晶に成功すると純度の高い綺麗な結晶が得られます。

すると融点測定もうまくいき、測定した融点から生成物の確認ができます。

また、単結晶が得られるとX線解析で分子の構造がわかったりもします。

高校化学ではあまり再結晶の重要性を強調していないので、次回再結晶について紹介してみます。


ちなみに・・・

フェロセンとアセチルフェロセンはこんな構造をした分子です。



フェロセン(左)とアセチルフェロセン(右)


非常にマニアックである。

鉄原子が五員環にサンドされていて、鉄が形式上環の真ん中と結合していて、そして五員環が芳香族!

マニアックですが、実は非常に重要でポピュラーな化合物だったりします。

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