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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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大学はそろそろ中間テストのシーズンに突入します。

大学は中学校や高校のように中間テスト用に決められた期間はないので、今週から6月初旬くらいまでポツポツ試験が行われます。

もちろん教科間で連携などしていないので、やたらと試験がかぶったりレポートが重なったりすることも茶飯事。

明日は化学英語の試験です。

とりあえず英語の例文を暗記しまくりました。

大学受験の時英語例文を暗記しまくるテキストを使って勉強していましたが、当時のテキストよりも500倍くらい覚えやすい。

なにせ内容がカルボニル基の伸縮振動がどうのとか、蟻酸の熱分解だとか、π-π*遷移によるピークだとかなので興味を引くったらありゃしない。

興味を引いて、読みたくなるような文がいいですよね。


さて、実験レポートがまだ書きかけ。

物理化学の演習問題もまだやりかけ。

化学英語のテスト勉強もまだまだやるべきところが残っている。

う~む・・・間に合うだろうか・・・


今、「窒素則」の記事を書きたいと思っています。

簡単に分子量計算のミスが確かめられるという優れもの。

が、しばらくは時間がなさそうなので、少々お待ちください。
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一昨日レポート書いていて思い出しました。

高校生の時、或る先生が「理系の人はお絵かきができないと」と言っていました。

まあ物理の問題は作図ができたら半分解けたようなものだし、化学も構造式とかは絵っぽいから、まあそんなもんかな・・・程度に思ってました。

びっくりしたことに、大学に入ると非常にお絵かき率が高くなりました。

実験器具、実験装置、操作手順、反応系の様子、クロマトの結果・・・

実験装置の絵なんてホントにお絵かきな感じです。

例えば一昨日描いたのはこれ。




筆者の手描きの反応装置


筆者はあんまり絵がうまくないですが、実験装置の絵を描くのは楽しいです。

レポートにはこんな絵をたくさん描きます。

別に趣味で描いているわけではない。
(いや、半分くらいは趣味だけど。)

図示は相手に情報を伝えるかなり強力な手段なのです。

上の装置の場合だと、言葉で伝えると、

「反応液とスターラーチップを入れた100mL2口ナスフラスコに玉付き冷却管・アルコール温度計(アダプタ使用)を取り付け、クランプで冷却管上部とナスフラスコの口の下をつかみ、ナスフラスコをホットマグネティックスターラーに乗せたスターラーチップを入れたオイルバスに入れ、そのオイルバスにはアルコ-ル温度計をスタンドからつるして入れておき、冷却管に下から上へ冷却水を流した装置」

となる。

圧倒的に言葉の負け。

言葉がいかに状況を伝えるのに適していないかがわかる。
(こんなこと言ったら言語学とか文学の人に怒られるかな?)


あと、図は完全にリアルではだめ。

そのまま写真のごとく描くと、見えづらい部分もあるだろうし不必要な部分が目立つかもしれない。

必要な部分をわかりやすく簡略化・モデル化して描くというのがセンス。

上の図なんて単純な図形の組み合わせを基本として描いているので、簡単でかつすぐ描ける。

しかし筆者はまずその雑さと文字の汚さを改善すべきである。


手段はいわゆる「絵」だけではない。

グラフィカルに表してわかりやすくするにはグラフや表を描くのも手である。

特に「各数値は比例関係にある」等を主張したかったらグラフを描くのがベストであろう。

このように、自分が伝えたいことをできるだけわかりやすく、かつ強調して伝えるために自然科学の学問では図示というのが重要なのである。

だから大学の先生も

「図や表を使って表しなさい。」

と言って課題を出してきたり、

「で、これがFT-IR分光器の中身のお絵かきです。」

と、"お絵かき"と称して図を見せてくれたりします。


ちなみに、図を手描きすることも重要。

例えば反応装置なら、それを手描きすれば何の器具を使ってどう配置すべきかがよくわかるし、どこを簡略化してどこを強調すべきかを考えるチャンスとなる。

もちろんプレゼンなど本番ではパソコン描きの綺麗な図を使います。




パソコンで描いた減圧蒸留装置(ChemSketchIllustratorというソフトを使用)



筆者はパソコンで図を描くのが好きなので、このサイトでもよくパソコン描きの絵を登場させています。

が、勉強目的では上のようなものを手描きすることも重要なのです。


以上のように、「お絵かき」は自分の理解のためにも、他人の理解のためにも重要なのです。

このサイトでもできるだけ多くの図を使おうと努力しています。


今日(日付変わってるから厳密には昨日)は、授業で工業高校に行ってきました。
(筆者は工業高校の教員免許取る予定です。)

工業教育法という授業なのですが、行ったらいきなり

先生「今日工業高校行くことになったから!時間がない早く早く!」

とダッシュで階段駆け下りていくのでこっちもダッシュで後を追う。

で、先生の車に乗り込み片道約40分の工業高校へ。
(その授業は学生が4人(!!)しか受けていないのでできる芸当!)

実習の授業を見せてもらったのですが、すごい!

実際にモノづくりをするわけですが、生徒が押しつけでやらされるのではなく自分で動いて作業をしていました。

学習者自らの創造性の観点で言うと大学工学部の授業よりもはるかに高度。

で、そこで教えておられる先生がすごい!熱い!

筆者らにも解説してもらったりしゃべってもらったりしたのだが・・・

「機械も電気も化学も・・・全部できないと一つの製品は作れない。私の大学の時の専門は電気。でも卒業してから全部独学で勉強した。大学でやってた時の専門をそのまま一生使おうと思うな(実際社会に出て大学頃の専門だけをずっとやるのは無理だ!)。」

と。

ぐぬぬぬ・・・先日MITで研究した経験のある大先生が筆者に語ってくれたことと内容的には同じじゃないか・・・

これが賢い人の行きつく究極域の考え・経験なのだろうか・・・


あとその先生は

「なんでもパーツを外注してはだめ。お金がかかる。試作品を作る時は開発者自ら金属曲げて溶接して作るというのが安いし製品を微調整しながら開発できるから、大学工学部生である君たちもそうなれる必要がある。化学が専門だからやらないというわけにはいかない。」

ともおっしゃった。

ごもっともです・・・

"多彩性"というか、いろんな事が出来るようになってはじめて社会貢献できる人間になれる、というように今考えています。


また、見たのは繊維科の実習だったのですが、バリバリ機械触って金属曲げて・・・と。

先生は

「繊維でも実際機織りするのはパートの人とか。ここで育てる繊維の技術者は、例えばその機織り機を作ったりするから思いっきり機械の知識が必要。だから繊維でも機械を教えているし、ここの生徒は(パートの人ではなく)そのような技術を持った人間に育て上げるのだ。」

と。

日本はモノ作りなくして成り立たない。

工業高校の負う役割は、とても大きいと感じました。


ちなみに・・・

もちろん90分間の講義でこの見学はムリ!
(移動だけで往復80分かかったし・・・)

その授業の後は昼休みなので、授業+昼休みの時間で行ってきた。

帰りは先生がコンビニで車を止めて「これで買って来。」と"なんだか高級な紙切れ"を渡してくれて学生は「わーい」と喜んで飯を買ってきて車の中で食べたという。

行き帰りの車の中ではいろんなことをしゃべって、これも良い経験になりました。

さらにちなみに・・・結局昼過ぎの授業には微妙に間に合わず、遅刻しました(笑)


今日は素晴らしい経験をしました。

工業高校について知れただけではなく、自分の勉強感・モチベーションにも大きな影響を及ぼされました。

こんな経験まず滅多にできないでしょう。

大学は本当に面白いです。


今日(日付変わってるから厳密には昨日)、筆者が化け学教える塾生が増えました。

なんでも、文系だけどセンター理科は化学でやるとのこと。


「どうせ化学なんて受験以降まったく役に立たないと思っているでしょう」

と授業後問うてみると、「はい」と。

筆者は文系でも必要だと思います。

「例えば大人になって通訳さんになったとしよう。でも、化学が要るのですよ」

と言って、筆者の物理化学のテキスト(問題が英語で書いてある)を見せて、

「これ、英語で書いてあって難しいけど今日やった熱化学方程式の内容。もしあなたが通訳さんになったとき、今日の化学の授業の内容がわかっていればこの文章が訳せる。すなわち仕事が取れる。逆にわかっていなければ訳せない。この仕事はできない。結果できる仕事が減る。」

と、ちょっと具体的に焦らせてみた。

高校生はなかなか"勉強は意味無くない"という具体例を示されることが少ないと思う。

大抵親や先生にわけもわからず「勉強しろ」を連呼されるだけ。


もちろん上の例は、化学を将来の仕事と絡めた一例。

生活の中でも化学はいくらでも役に立つ。

例えば、界面活性剤;逆性せっけん等の意味がわかっている人はシャンプーとリンスを混ぜて一度に使うと意味がないことがわかる。
リンスインシャンプーの化学参照。)

化学が全くできない人は、もしかしたら混ぜて使って損をしてしまうかもしれない。

他にもエセ科学に騙されないために理科全般の知識が必要。

奇跡の水H4Oとか、運気の波動を増幅するナノ構造のパワーストーンとか、物質に記憶があるとか何とかのホメオパシーとか・・・・理科をちゃんと勉強してエセ科学から自分を守らなければならない。

あと同素体と同位体。

ほんとセンター頻出ですね。

もしも同位体と同素体を混同していたら、最近の原発のニュースの意味はかなり理解しがたいでしょう。

「放射性同位体?同位体って黒鉛とダイヤモンド?もしかして俺の鉛筆も危ないのかも!!」

とか思わないように!
(実際、"ヨウ素=危ない"のニュースでヨウ素が入ったうがい薬のイソジンが毒だと思ってバッシングした人がいる!!)


ちなみに化け学男の筆者は今経済学に入門してみたりしています。

この知識があればネズミ講とか、破産確実の金融商品とかから身を守れるかもしれない。
(あれ?ちょっと違う?(笑))

自分の専攻や将来の仕事に"関係ない"と思っている学問でも、より広範囲の能力を得るため、生活の中の危険から身を守るために必要だと思います。


先日バイト先の塾の遠足があり、子供(主に小学生)たちと科学館に行ってきました。

筆者が小さな頃から慣れ親しんだ科学館です。

子供のころも、大人(まだ一人前ではないが)になっても、いったい何回通ったでしょう。

展示場は2階から4階までで、1階にはプラネタリウムもある結構大きな科学館です。


子供たちは体験系の展示物が好きです。
(化学コーナーは華麗にスルー(泣))

例えば、背が伸びたり縮んだりする鏡、グルグルハンドルを回して発電するやつ、フィギュアスケートのスピンのように回転する床・・・

子供たちはそれで遊んで、次の展示物に走っていくのですが・・・

しかし、それらは遊具ではないのです。

教材なのです。

その体験から何を学ぶのかが大切。

例えばその不思議な鏡はなぜ背丈が変わるのか。

鏡を見て「へぇ~」と言って走り去ろうとする子を引きとめ

筆者「ちょっと待て。さあ問題です。なんで背が伸びたり縮んだりするでしょうか?」

と聞くときょとんとするんですよ。

たぶんそんなこと全く考えていなかったからです。

鏡を近くで見て仕掛けを探しておいでと言うと、一生懸命鏡の裏とかを見るのですが、なかなか見つけられず、ギブアップ。

答えは定番の凹面鏡、凸面鏡のわけですが・・・

個人的には、別に仕掛けを見破れなくてもいいかなと思うんです。

ただ、自分から不思議に思って探って欲しいのですが・・・なかなか難しいですね。

まあ最初は周りの大人が援助してあげるべきなんでしょうが、あんまり考えろ考えろと言ったりヒントを挙げても、子供の成長にはあまり役立たないだろうからさじ加減が難しい。


ホント、それら展示物からは無限の学びの可能性があるのです。

ハンドル回して汗かいた → 電気を作るのは大変。大切にしなければ。

グルグル回る時ポーズによって回転スピードが変わる → 手足を伸ばして中心から端まで距離をとると遅くなる。

等など・・・

さあ、理科教育はいかにすべきなのだろうか。

子供たちが自ら不思議に思い探究心を持ち行動・思考してくれるような教育法を、筆者はなかなかまだ思いつくことができない。


プラネタリウムも面白かったです。

星座は興味ないんですが(だって神話とか、科学的じゃないし)、銀河モデルやブラックホールはかっこいい。

面白いことに、極大の宇宙の物理現象と、極小の量子の物理現象には、ある種の共通点があるのが不思議なところ。
(ただし全く同じでなく、決定的な差があるのも面白い。)

量子力学も結構好き(専門的なことはわからないが趣味的に)なので、ブラックホールとか暗黒物質とか聞くとテンションが上がります。

知っていますか?

実は宇宙の95%くらいの物質・エネルギーが暗黒物質・暗黒エネルギーと呼ばれるまだ解明されていないモノでできていて、我々が知っている水素やヘリウムは数%しか存在していないそうです。

まだまだ世の中は謎に包まれていて、面白いですよ!!
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