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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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Jerryです。
Chemisさんの要望にこたえて、梅酒と浸透圧のお話。

まずは浸透圧について。
濃度の違う2つの液体を薄い膜をはさんでとなり合わせると、この膜を通り抜けられる小さな分子が左右の液体の濃度が同じになるように移動します。
この移動を防ぐために必要な圧力がその液体の浸透圧と呼ばれます。
ちなみに、ここでの濃度は溶けている全ての物質の濃度の合計です。

――要するに、 左右の液体の濃度が同じになる のです。
それだけでこの話には十分です。

さて、では梅酒の話に参りましょう。

梅酒は
1、梅にエタノールをしみ込ませる。
2、梅からエタノールを吸い出す。(この時に果物のエキスも一緒に吸い出される。)
という二段階の操作で作ります。

この2つは両方とも浸透圧を使って行います。
1、梅をお酒に入れる。(お酒が濃いエタノール水溶液)
⇒ お酒の中のエタノールが浸透圧によって梅にしみ込む。
2、お酒に砂糖を加える。(お酒が濃い砂糖の溶液)
⇒ 浸透圧によって梅からエタノールがしみ出してくる。



エタノールが梅にしみこみ、砂糖を入れると濃度を緩和すべく
梅からエタノールと梅の成分が出てくる。(ケミス作成)


さて、梅酒の作り方をみてみましょう。
下ごしらえした梅を氷砂糖と焼酎と一緒にビンに入れて、寝かせる。
以上です。
ビンの中に一度に材料を全部入れてしまいます。
これでなぜ上のように二段階の操作ができるのでしょうか。

ポイントは氷砂糖を使うところです。

氷砂糖は溶けるのに時間がかかります。
エタノールが梅にしみ込んだころにお酒の中の砂糖の濃度が上がり、梅からエタノールが
しみだしてくる、というわけで二段階の操作がひと手間でできるのです。



氷砂糖は時間差で溶け出すため途中で砂糖を入れなくていい。(ケミス作成)

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Twitter @Chemis_twit (管理人)
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