一般向け/高校生向け楽しい化け学
[31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23]  [22]  [21


今日面白い物質(?)をネットで見つけた。

その名も「水素水」H4O

"マイナス水素イオン"が溶けていて、還元力があって飲んだら万病に効くらしい!!

( ゚Д゚)ハァ? アリエネーヨ!

↑筆者の感想。


限りなくインチキ臭い・・・というかインチキだろ!!

じゃあ仮に水H2Oに水素イオンH+が2つくっ付いたとしよう、するとおそらくオキソニウムイオンH3O+を経てH4O2+になるだろう。

しかしこれでは電荷を持っているからH4Oではない。

それにこれじゃ還元力もへったくれもないから違うのだろう。

ちなみにオキソニウムイオンH3O+は酸性溶液中に存在しますが、H4O2+は存在できません。


ではオキソニウムイオンH3O+とヒドリドイオンH-が作った塩H-[H3O+]だとしたら?

そうすれば全体として電荷はないし、還元力のあるヒドリドイオンH-もある。

しかし残念ながらこれも無理がある。

具体的にH3O+とH-を出会う場合を考えてみよう。

H3O+は酸性溶液に多く含まれ、またただの水にも水の電離によって存在している。

酸性溶液に水素化ナトリウムNaH(Na+とH-の塩)を加えてみるとしよう。

すると

H3O+ + H- → H2O + H2

塩なんてできない。

すなわちH4Oは存在できないのだ。


しかも或るH4Oの販売サイトでは、その分子モデルを平面で描いている。

「H4O」の構造??


有り得ない。もう悲しくなってくる。

最低でも正四面体で描いて欲しかった。

分子軌道的に考えると、こんな角度の結合は酸素には不可能である。


ちなみに"マイナス水素イオン"はおかしい。

これがH-を指すのなら「ヒドリドイオン」と言うべきだ。

というか、この世に氾濫している「マイナスイオン」という言葉自体科学用語ではない。

陰イオン、もしくはアニオンというべきだ。

正しい科学用語を使わない・理論原理を明記しないのは、逆に正しい化学からの批判をしにくくするのにも役立っていそうだ。

このようにインチキ化学はかなり身の回りに溢れている。

しかしちょっと化学の知識を持っていれば騙されないだろう。

もちろん必ずしもインチキだとは言い切れないし、今後の研究で効果が立証されるものもあるかもしれない。

しかし少なくとも疑うことはできるはずだ。

そして化学の知識が十分でない人にもっともらしいインチキ説明を付けて商売しようとする人間は、工学倫理に反していて化学者として最低である。

というか、化学じゃないから化学者ですらない。

"勉強する"というのは、"騙されないようになる"ということである。(って大学の先生が言ってた!!)

「専門でもないのにただの高校生が何で化学なんて勉強しなきゃいけないんだ!将来に何の役立たん!」って思う方は多いかと思いますが、学校での勉強は基本的に「生きるため」にある。

騙されないように知識をつけましょう。

特にダイエットや健康食品にインチキが多いです。

ゲルマニウム、活性水、ホメオパシー・・・・

自分の身は、まず自分で守らないと駄目なのです。


そして検索を進めていくと・・・

「活性水素水」と「活性水素水」は別物??

水素ラジカルH・の理論もある?

でも結局"疑似科学"??

知らんわ!!!(笑)

拍手

この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
PR
Twitter-bot

Twitter @Chemis_twit (管理人)
Copyright 放課後化学講義室 All rights reserved



< カウンター since 2010/9/24 >