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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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最近マイナーな分子やマニアックな分子を紹介したので、今日は基本的な分子について紹介します。

「今日の分子」No.14、メタノール CH3OH


Jmolで描画


言わずと知れた最も単純なアルコール類の化合物。

高校2年の二学期くらいに習う有機化学で出てくる。

アルコール類とは炭化水素の-Hを-OH(ヒドロキシ基)で置き換えた化合物で、一般にR-OHで表される。

一般的なアルコールと知られるエタノールはこれの炭素数が2の場合でCH3CH2-OHである。

アルコール類は水H2Oと同様に-OHの部分を持つため相性がよく、水によく溶ける。

ただしアルコールは同時に油の性質を持つ炭化水素基も分子内に持ち合わせるため、油とも相性がよい。

しかし炭素数が6、7、8・・・と増えてくると油としての性質が大きくなっているため水に溶けにくくなっている。

一方、グリセリンCH2(OH)CH(OH)CH2OHのように、分子内に多くのヒドロキシ基を持つと水への溶解度は大きくなる。

このようにアルコール類は性質が似通っているが、異なる性質もある。

たとえば、エタノールはお酒に含まれていてちょっと大人は飲んだくらいでは普通全然平気であるが、メタノールは毒性が強く失明したり死亡することもある。

しかしエタノールも大量に飲むと泥酔→死亡ということもあるので、そういう点では似通っていると言える。

またアルコールに耐性のない人は少量の飲酒でも危険な状態になる。

飲酒には気をつけましょう!


ちなみにメタノールは高圧高温・金属酸化物の触媒下で一酸化炭素と水素との混合物を反応させると合成することができる。

CO + 2H2 → CH3OH

ちなみに、一酸化炭素やメタノールなどの炭素数1の簡単な物質から炭素数のより大きな複雑な分子を合成する化学の分野を「C1化学」といい、現在工業化学の分野で重要視されている。
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