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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日は大学の図書館で面白い本を借りた。

『分子を超えて―錯体の世界』, 錯体化学研究会編, 化学同人(1991) という本。

オススメです。ユーモアたっぷりの本で「犬にタコを食わすな」とか「ゴキブリの愛のささやき」とか謎めいたフレーズ盛りだくさん。

超分子化学の本を探していて借りたんだけど、図解が多くてわかりやすい。

しかし思いもよらぬ面白い本である。

たとえばこの表題の「太陽は99.97%神様である」を引用してみよう。

"地球表面に入ってくるエネルギーをみますと、太陽放射として入ってくるものと、地球内部のエネルギーが岩石を伝わってくる地熱や火山、温泉といったかたちで地上に出てくるものとに分けられます。しかし後者はせいぜい0.03%で、あとの99.97%は太陽放射として入ってきます。"

だから99.97%太陽は神様なのだ、と。

例えば我々はお米を食べますが、そのお米は太陽の光のエネルギーで光合成して成長しているので、結局太陽のエネルギーを食べていることになる。

植物が光合成をするための葉緑素、クロロフィルの部分構造

Jmolで描画, クリックで拡大。


燃料に使う石油―化石燃料、昔の生物の死骸―も、要するに太陽からエネルギーを蓄えたものである。

生物はエネルギーなくしては生きられない。

そのエネルギー元が99.97%太陽から来るのでは、太陽が99.97%神様といわざるを得ない!!

しかし0.03%は神様じゃないんだから、結局太陽は神様じゃないのか・・・ってね。


ちなみに、この場合は科学的に"不可欠!"という意味で太陽を"神"と喩えていますが、いわゆる「全知全能の神」はどうでしょうか。

実は1987年、全知全能(=無矛盾な存在)の神は存在しないと数学的に証明されたらしいです。

筆者は数学が苦手なのであまり知らないが、「ゲーテルの不完全性定理」=「自分自身が無矛盾であることを証明できない」(!??)っていう定理があって、1987年にグレゴリー・チャイティンとう人がこれが数学全般に働くと証明し、結論が「神は存在しない」らしいです。

なんだかよくわからないけど、神はいないということにホッとしてみたり夢を壊されたりするような内容ですが、別に筆者は宗教批判に興味はないので「ふ~ん」でお終いにします。

でも内容的には興味を引く面白い数学の命題ですよね。


◎ 参考
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