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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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ここんとこ難しい分子ばかりだったので、また簡単な分子に話題を切り替えます。

今日の分子 No.22、アンモニア NH3


Jmolで描画


中学校の理科の実験でほとんどの人がこのアンモニアの激臭を体験したと思います。

鼻を刺すような強烈な臭気を持ち、非常に水に溶けやすい気体分子である。重要!

以下のように電離してアンモニウムイオンになり、水酸化物イオンを出すので水溶液はアルカリ性である。重要!

NH3 + H2O → NH4+ + OH-

※ アンモニア水はアルカリ性なので目に入ると角膜を溶かすので危険!

分子の形は三角錐型。重要!(詳しくは 分子のカタチ を参照)

なんとも「重要!」な分子である。

実際大学の実験でもアンモニア水をよく使うので、あの匂いを嗅ぐハメになる。

アンモニア水と、強酸との塩との混合物は緩衝溶液になるので非常に重要なのである。


アンモニアに関する高校で習う化学反応で重要なものに、例えばアンモニアの工業的製法(ハーバー・ボッシュ法)がある。

N2 + 3H2 → 2NH3

これは四酸化三鉄の触媒下で気体の窒素からアンモニアを作れるという重要な製法である。

またこれに続いて、アンモニアを白金触媒下で酸素と反応させると一酸化窒素になる。

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O

さらに一酸化窒素は容易に酸化されて二酸化窒素になる。

2NO + O2 → 2NO2

そして二酸化窒素を水に溶かすと硝酸と一酸化窒素を生じる。

3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO

このようにして硝酸を製造する方法をオストワルト法という。重要!


他にも、アンモニアは二酸化炭素と高温高圧で反応させると脱水縮合して

2NH3 + CO2 → CO(NH2)2 + H2O

となり、尿素になる。

体内の余分なたんぱく質などを排出するとき、アンモニアは人体に有害なので無害な尿素にされて排泄物(尿)として捨てられます。
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