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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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「有機化学の歴史と化学者 第一弾」後半(前半

「今日の分子」No.7、尿素 (NH2)2CO


Jmolで描画


人間の尿に含まれるので尿素と呼ばれる。

たんぱく質が分解するとアンモニアが出てくるが、アンモニアは有毒なので肝臓で二酸化炭素と反応させて尿素とし、無害化させ尿として排出している。

この分子は人類が始めて無機化合物から合成した有機化合物である。

1828年、フリードリヒ=ヴェーラーは前半で紹介した無機化合物シアン酸アンモニウムの水溶液を加熱することで有機化合物である尿素を作り出した。

NH4OCN → (NH2)2CO

それまでは有機化合物は生物にしか作り出せないと信じられていた。(生気説)

しかしもちろんそんな事はなく、このようにヴェーラーはその説をぶち破り、当時の学会に大きな衝撃を与えた。

そして彼は有機化学の父と呼ばれ、今日の教科書にも必ずその名と反応が載るほどの大有機化学者となった。


ちなみに多くの教科書には「ヴェーラー」ではなく「ウェーラー」と書かれていると思う。

間違いか?と言われるとそういうわけではない。

彼はドイツ人で「Woehler」という名前なのだが、ドイツ語では"W"はヴァ行の発音をするのでヴェーラーと読む。

しかしこれを今の自然科学の世界で一般的な言葉である英語で読むと「ウェーラー」になるので日本語の教科書にも英語読みで書かれている。

だが、まあヴェーラー本人に言わせれば、「ウェーラー」は間違いなんだろうなぁ・・・
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