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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日自転車でバイト先に向かっていると、ダッサイことにコケてしまった。

とっさに膝で受身を取ったので被害は小さかったが、膝は擦りむけ血まみれに・・・

そして、なんと、

この前硫酸で穴開いたから買い換えたジーンズが破れた。

かなりのショックである。

傷はほっといたら治るが、ジーンズは直らない。

バイト先に行き、塾生がケガをしたときのための救急セットを借りました。

新品でした。

生徒用なのに・・・申し訳ない・・・

オキシドールで消毒して、絆創膏を貼りました。

しかし転んでもただでは起きない筆者です(ぉ

今日はこのオキシドールの正体、過酸化水素について紹介しましょう。


今日の分子 No.41 過酸化水素 H2O2


WinMOPACで描画


水よりもわずかに粘度のある無色透明な弱酸性な液体。

過マンガン酸カリウムなどの強酸化剤には酸化されて酸素になるので酸化剤としてショボイと思われがちだが、本当は非常に強力な酸化剤であり多くの場合は酸化剤として働き水になる。

ゆえに第六類危険物酸化性液体で危険等級Ⅰ(←超危険)に指定されていて、可燃物と接触すると爆発する恐れがある。

皮膚に付くと刺激性があり劇物としても指定されている。


酸化還元反応は次の通りである。

○酸化剤として働くとき

H2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O

○還元剤として働くとき

H2O2 → O2 + 2H+ + 2e-


酸素の実験室的製法に過酸化水素の分解がある。

これには触媒として二酸化マンガンや酵素のカタラーゼが用いられる。

2H2O2 → 2H2O + O2

この式は実は酸化還元反応の、酸化剤として働くときと還元剤として働くときの2つの式を足し合わせたものである。

このように物質が同じ物質を酸化し、同じ物質に還元される反応を自己酸化還元反応という。

この場合など、制御に失敗すれば爆発的なものになってしまうことが多い。

またこのように単一の物質が二種類以上の物質になることを不均化反応ということもある。(逆は"均化反応")

過酸化水素は活性酸素の一物質であり、容易にヒドロキシラジカル(OH)になるので生物に悪い。

そのため体内では過酸化水素を分解するためカタラーゼという酵素が作られ、上の式の反応を起こして体を酸化から守っているわけである。


重量パーセントで3%の過酸化水素水はオキシドールと呼ばれ消毒液として使われる。

多くの人がやんちゃな子供時代に膝をすりむいたとき使ったことがあると思います。

ちなみにオキシドールを傷口につけたとき、泡が出たという経験はないでしょうか。

これはこのときまさに体内のカタラーゼが上の分解反応を起こして生じた酸素の気泡なのです。


◎ 参考
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