一般向け/高校生向け楽しい化け学
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数日前アセトンの話を書いていたので、今日はアセトンを紹介しましょう。


今日の分子 No.48 アセトン CH3COCH3


Jmolで描画

正式名称は2-プロパノン。

最も単純なケトンである。

両親媒性(水とも油とも混ざり合う性質)の無色の液体。

特に水とは任意の割合で混和する。

高い蒸気圧を持ち沸点が低く、揮発性で引火点が低い。

すなわち非常に引火性の強い危険な物質である。

そのため日本の消防法では第四類危険物(引火性液体)第一石油類、危険等級Ⅱと定められていて、 一定量以上の取り扱いには資格が必要。
(筆者は有資格者(甲種危険物取扱者)です。)


実験室的製法として、酢酸カルシウム(CH3COO)2Caを乾留することで得られる。

(CH3COO)2Ca → CH3COCH3 + CaCO3

これは高校化学でも習う重要な製法である。


※乾留とは?

物質を密封して空気を絶った状態で強熱し、熱分解すること。

他に「石炭→コークス+コールタール」や「木→メタノール("木精"の名の由来)」などが有名。


工業的にはフェノールの合成のクメン法の副生物として得られる。


クメン法


これは、

まずベンゼンとプロピレンを酸触媒で反応させクメンを得る。

次にクメンを空気酸化しクメンヒドロペルオキシドを得る。

最後に希硫酸等で分解してフェノールとアセトンを得る。

という反応。

工業的に重要な化合物であるフェノールの工業的製法であるが、工業的に割りとどうでもいいアセトンが大量に副産してしまうという欠点がある。
(ベンゼンの直接酸化でフェノールを得るのはかなり難しい。)

そのためアセトンは世の中に有り余っていて、異常に価格が安い。


アセトンは実験器具を洗うのにも使われる。

アセトンは油も水にも溶け汚れを溶かしだし、かつ揮発性が高いので乾かすのが楽であるという利点がある。

また、上記のようにアセトンは安いのでこのような使い方ができる。

ちなみに、今日の分子No.17のアセトアルデヒドも揮発性や洗浄力から言うと優秀であるが、有毒だしアセトンより高いのであまり使わない。

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