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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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さっきパラッと本をめくったらヘリウムが出てきたので、今日はヘリウムを紹介します。


今日の分子 No.45 ヘリウム He

WinMOPACで描画

希ガス原子であり、単原子分子。

無色透明な気体。

最も沸点が低い物質である。

空気中に極々微量含まれ、天然ガスの中には結構な割合で含まれる。

天然ガスに火をつけようとライターを近づけると、ライターの火が消えてしまうことがあるほど高濃度で含まれることもあるらしい。

常圧では絶対零度でも固体にならない性質や、液体ヘリウムが壁を上る現象など、量子力学的な特異な性質も持つ。


水素分子の次に軽い気体であり、空気よりずっと軽いため風船や飛行船に充填して浮遊させることに使われる。

ちなみに、かつては水素も用いられたが、水素は簡単に着火して爆発するため危険である。

ヘリウムを低圧でガラス管に封入し、電流を流すとピンク色に光る。

ダイビングのときの酸素ボンベにも酸素以外の気体として入っている。

というのも、窒素にすると深海の高圧で血液中に溶け込み中毒になるかららしい。

分子が小さくほんの細孔でも通り抜けることができるため、配管の漏れの検出等にも用いられる。

他にもヘリウムネオンレーザー等に使われたり、用途は広い。


しかし一番有名な使い方は、ヘリウムの吸引で声を変えれるヤツでしょう。

ガーガーとディズニーのドナルドダックみたいな高い声になる。

この現象、なんとその通り"ドナルドダック効果"という。

これはヘリウムは軽い気体のため、ヘリウム中で音速が速くなることによる。(2011/5/2のブログを参照)

逆に重い気体(クリプトン等)を吸入すると声が低くなる。

ちなみに、このときのパーティー用ヘリウムボンベにも20%酸素が含まれている。

もし純ヘリウムなら、それヘリウム自体に毒性はないが窒息の恐れがあるからである。

人間は無酸素気体中で2回呼吸すると意識喪失を起こすらしい。


◎ 参考

・ 『高圧ガス保安技術 第8次改訂版』高圧ガス保安協会著(2011)
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