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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日(日付変わってるから厳密には昨日)、塾で芳香族カルボン酸(主にサリチル酸関連)の話をしていました。

2つの某公立大学の実際の入試問題にサリチル酸関連のなかなか難しい(というか高校範囲ではない)問題があって面白いなと思いました。

サリチル酸とその2つの異性体(m-とp-)の融点と酸性度の違いについてです。

構造化学的に有名でなかなか面白い話題なので、ちょっと紹介してみます。



サリチル酸C6H4(OH)(COOH)は、別の見方をすれば「o-ヒドロキシ安息香酸」と言える。

安息香酸に置換しているヒドロキシ基の位置によって後二種類の異性体、「m-ヒドロキシ安息香酸」と「p-ヒドロキシ安息香酸」があります。




o-ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸


この中でo-ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)はm-、p-異性体に対して異なった物性を持つ。


1) o-ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)は融点が低い。

融点はそれぞれ

・ o-ヒドロキシ安息香酸:158-161℃

・ m-ヒドロキシ安息香酸:201℃

・ p-ヒドロキシ安息香酸:213-217℃

である。

m-置換体とp-置換体は200℃程でその二つの差も15℃くらいしかないのに対し、o-置換体は160℃くらいで他の二つより40℃以上低い。

言いかえると融点は

o-置換 << m-置換 ≒ p-置換

ということである。

普通に考えると同じ官能基(ヒドロキシ基とカルボシキル基)を持ち、同じくらいの分子間力が働きそうなので融点は3つとも同じくらいの値になってもよさそうである。

この違いはいったい何から生じているのであろうか?

実は分子のその立体構造から来ている。

まず、融点の高低はその分子同士の間に働く分子間力の大きさに関係していることに注意しよう。
(分子間力が大きければそれだけ分子同士を引きはがすのが大変なので融点は高くなる。)

この場合、分子間力は強い水素結合が大きく影響している。

例えばm-置換体とp-置換体では次のように水素結合による「分子間力」が働いている。




m-ヒドロキシ安息香酸とp-ヒドロキシ安息香酸の水素結合


水素結合により隣の分子との間に分子間力が働いているので融点は大きくなる。

一方o-体、すなわちサリチル酸ではどうだろうか?



サリチル酸の分子内水素結合


サリチル酸の場合すぐ隣同士にヒドロキシ基とカルボキシル基があるので、分子内で水素結合をしてしまう。
(これを分子内水素結合という。)

言うならば「分子力」である。

1つの分子の中で水素結合してしまっていて、他の分子との間には水素結合していない。

すなわち分子間力はm-置換体とp-置換体に対して弱くなるのである。

したがってサリチル酸は他の2つの異性体に対して融点が低くなるのである。



2) o-ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)は酸性度が大きい。

3種のヒドロキシ安息香酸の酸性度は

o-置換体 > m-置換体 ≒ p-置換体

のようになる。

具体的に数値で表すと、pKa(第一段階目)は、

・ サリチル酸 : pKa = 2.78

・ m-ヒドロキシ安息香酸 : pKa = 4.07 (⇒サリチル酸の方が19倍強い)

・ p-ヒドロキシ安息香酸 : pKa = 4.47 (⇒サリチル酸の方が48倍強い)

です。

※ 「pKa = -log10Ka」です。pKaの値が小さいほど酸性が強い
pKaの値が1違うと酸性度は10倍違う。
「pKa」の「p」は「pH = -log10[H+]」と同じ意味の「p」。


またもサリチル酸だけ物性値が異なっている。

これも構造化学的な要因による。

まず電離して生成する1価の陰イオン(すなわち共役塩基)を考える。



o-、m-、p-ヒドロキシ安息香酸の共役塩基


※ フェノール性ヒドロキシ基も酸性ですが、カルボキシル基の方が酸性が強いのでこっちから電離します。

このとき、o-ヒドロキシ安息香酸の共役塩基は、電離したカルボキシル基のすぐ隣にあるヒドロキシ基と水素結合します。



o-ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)の共役塩基の分子内水素結合


すると、分子内で水素結合していない状態に比べ、水素結合ができるとマイナスのカルボキシル基のOとδ+の水素がくっつくのでクーロンエネルギー的に安定になります。

だからサリチル酸の共役塩基は他の2つと比べて安定になります。

すなわち「電離した形が安定 → より電離しやすい」ということになるので、サリチル酸はm-ヒドロキシ安息香酸・p-ヒドロキシ安息香酸よりも酸性度が大きくなります。

この水素結合によるカルボキシル基の酸性度の増加はなかなか大きなもので、サリチル酸の酸性度は他の単純なカルボン酸に比べて結構大きな値になります。

具体的には

サリチル酸:pKa = 2.78

酢酸:pKa = 4.76 (⇒ サリチル酸の方が95倍強い酸!)

安息香酸:pKa = 4.21 (⇒ サリチル酸の方が27倍強い酸!)

というくらいサリチル酸のカルボキシル基の酸性度は強いです。



上記のように、サリチル酸では隣接するヒドロキシ基の影響で、カルボキシル基が持つ本来の酸性度(大体pKa≒4.5前後)からかなり変わってしまいました。

また、同じく隣り合ったヒドロキシ基とカルボキシル基の影響で融点も他の二つの異性体とは大きく変わってしまいました。

このように隣接する官能基が物性を変化させる現象を「隣接基効果」と言います。

これらは大学化学レベルで高校化学では出てきませんが、化学的思考のエッセンスとしてはかなり面白い題材だと思います。
(でもこの違いの理由を実際に答えさせる入試問題が出たという現実が・・・)


ちなみに、この隣接基効果を応用すると薬効があるが酸性が強くて粘膜刺激性があるサリチル酸を、胃に優しい使える薬に変えることができます。

アセチルサリチル酸です。

それについては次回の記事で書きましょう。

お楽しみに!

『隣接基効果~アスピリンとサリチル酸の酸性度の違い』


◎ 参考



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以前「脂」と「油」の違いを紹介しました。
『油脂 ~油と脂~』

同じようなグリセリンと高級脂肪酸のエステルである油脂なのに、モノによって固体(脂)だったり液体(油)だったりします。

それはなぜかと説明するために、以前は構造式を描いてその分子の立体的な形がシス型の二重結合の有無によって違うということを説明しました。

・・・が、図が下手だし、微妙でした。

っと思っていたとき、このことを説明するとても良い図を『第3版 マクマリー 生物有機化学 生化学編』という本で見つけました。

構造式ではなく、3Dの分子モデルを使っていたので立体構造がわかりやすく、「脂」と「油」の違いが一目瞭然でした。

っということで、それがとてもわかりやすかったので3D分子モデルで図を描き直しました。


これが「脂」と「油」の構造の違いです。



「脂」である油脂。飽和脂肪酸から成る。





「油」である油脂。シス型の不飽和脂肪酸から成る。



「脂」は綺麗な形の分子ですが、「油」はイビツな形をした分子です。

これが固体か液体かを決める要因になっています。

詳しくは『油脂 ~油と脂~』をご覧ください。


ちなみにこの2分子、3Dモデルを描くのに結構時間がかかりました・・・
ChemSketchという構造式や3Dモデルが描けるソフトを使っての筆者の手作りです。)

C-C結合は自由に回転できるので、立体構造にはたくさんの可能性があります。

求める形を目指して、微妙に角度をずらしてはオプティマイゼーション(構造最適化)を繰り返す地味な作業・・・

ちなみにChemSketchは平面の構造式を3Dに構造最適化したとき、自動的にC=Cはトランス型にしてくれてしまうようです。

シス型を求めていたので、ここを地味に手作業で直すのが結構な手間。

でも結局頑張った甲斐あってなかなか満足のいく3D分子モデルができました。

で、3Dモデルを作る作業に勤しんでいたら現在午前4時。

もう後三時間も寝る時間がねえ・・・


◎ 参考



今日は実験でなかなか良いデータが取れてご機嫌な筆者であります。

測定点が綺麗に一直線・・・相関係数の二乗;R2=0.9989!


さて、前回は還元作用で体を酸化から守ってくれているビタミンCについて紹介しました。
『今日の分子No.69 :L-アスコルビン酸』

その中で、同じようにビタミンEも還元作用を示すと書きました。

ということで今回はビタミンEを紹介します。


今日の分子 No.70 α-トコフェロール C29H50O2


Jmolで描画


ビタミンEの一種。

ビタミンEは抗酸化作用、すなわち還元性を持つ。

ビタミンCも還元性を持つが、ビタミンCはヒドロキシ基をたくさん持ち水溶性、ビタミンEは長いアルキル基を持ち脂溶性であり体内で使い分けられている。
(ビタミンA、C、E等、還元作用を持つビタミンを「抗酸化ビタミン」と言います。)

ビタミンEにはベンゼン環に置換しているメチル基の位置と数でα、β、γ、δの4種類がある。

その中でもα-トコフェロールが一番強力な抗酸化作用を示す。

抗酸化作用の強さは α>β>γ>δ であると言う。


ビタミンEは脂溶性であり、主な役目は細胞膜の脂質(RH)が含酸素フリーラジカル(ROO・)に変換されることによる傷害から細胞膜を保護することである。

もしフリーラジカルを放っておくと大変なことになり、ラジカルの高い反応性(水素原子を引き抜いたりする;酸化反応)により細胞膜が破壊されたり、DNAを損傷したりして「老化」の原因になる。

そこでビタミンEは電子と水素を供与し、フリーラジカル(ROO・)を過酸化物(ROOH)に変換(還元)する。

過酸化物(ROOH)は次に酵素的に無害なアルコール(ROH)にされ、体は守られる。


ビタミンEの還元作用を示す部分は上の画像で言うと右下部分、ベンゼン環と二つの酸素がある部分である。

具体的な反応は次のようである。

まず予備知識としてヒドロキノンC6H4(OH)2が酸化されてp-ベンゾキノンC6H4O2になるという可逆的な酸化還元反応があることを確認します。
(高校化学では出てこない反応ですが、代表的な二価フェノールとしてヒドロキノンは習ったりします。)



ヒドロキノン ⇔ p-ベンゾキノン の酸化還元反応


次にビタミンE、α-トコフェロールの構造を見てみましょう。



α-トコフェロールの構造式;ヒドロキノン型の構造がある。(R:アルキル基を省略)


ヒドロキノンと同じような構造があることがお分かり頂けるであろう。

この部分が酸化されてp-ベンゾキノン型になることで、相手(フリーラジカル等)を還元するのである。



α-トコフェロールの還元作用。(R:アルキル基を省略)


この様にしてビタミンEは還元作用を示すのである。



◎ 参考



筆者は物を買って食べるときほぼ必ず「原材料名」を見ます。

別に「これは人工着色料!ダメだ!」とか思うために見ているのではなく、特に意味なく単にどんな物質が入っているのか知りたいからです。

今まさにカルビーのお菓子「Jagabee」を食べているのですが、原材料名に「酸化防止剤(V.C)」という表示を見つけました。

この表記は他の食品にもよく記されているため、目にしたことがあると思います。

「酸化防止剤(V.C)」とは何者なのか、ちょっと紹介しましょう。



今日の分子 No.69 L-アスコルビン酸 C6H8O6


Jmolで描画


いわゆる「ビタミンC」。

英語で綴ると「Vitamin C」なのでよく「V.C」と略記される。

ビタミンとは基本的に体内で合成できない物質であり、体内では補酵素(酵素を助ける物質)等の役割を持ち、適量摂取しなければ体調に問題をきたす物質である。

構造的には糖の誘導体で、生体内ではグルコースC6H12O6から合成される。


白から明るい黄色の結晶、もしくは粉末。

酸であり、酸っぱい味がする。

水溶性ビタミンであるため、過剰に摂取しても余分な量がすぐに排出され体に蓄積されないので多少過剰摂取しても安全。
(一方、脂溶性ビタミンであるビタミンA等は体内に蓄積されてしまうので、サプリメント等で過剰摂取すると危険である。)


この分子の注目すべき点は、「-C(OH)=C(OH)-」の「エンジオ-ル」と呼ばれる構造を持つことである。

普通二重結合を持つ炭素にヒドロキシ基が付いた「C=C-OH」の構造を持つ分子はアルデヒドまたはケトンにその化学平衡が偏るが、ビタミンCに関しては安定である。

この部分が還元性を持つため、ビタミンCは還元剤(酸化防止剤)として生物中で、食品添加物で用いられる。

だからよく「原材料名」の食品添加物で「酸化防止剤(V.C)」と書かれているのは、まさにこれである。

他にもペットボトルのお茶等の「原材料名」にも「ビタミンC」と書かれていることがあるが、それも酸化防止剤として添加されている。

たまにこれを美容健康のためや味付けのために添加されているのだと思っている人がいるが、実はそうではない。


具体的には次のように二電子失ってジケトンのデヒドロアスコルビン酸になる。



ビタミンCの還元作用


生体内で電子を渡す相手は酸素系のラジカル(活性酸素種)等で、DNA等を傷付けるこれらラジカル等を還元することで体を守る役割をする。

また、脂溶性還元剤であるビタミンEが酸化されて酸化物になってしまった時、それをビタミンCが還元して元の還元力のあるビタミンEに戻す、という働きもある。
(ビタミンE→ 『今日の分子No.70 :α-トコフェロール』も参照。)


生体内でのビタミンCの役割は他にもあり、例えばコラーゲン中のプロリン残基をヒドロキシル化する役割がある。

コラーゲンとはたんぱく質が三重らせん構造を巻いた生体の強固な構造材料物質である。

コラーゲンのたんぱく質中にあるヒドロキシル化プロリン残基のヒドロキシル基が水素結合することでコラーゲンのその強い三重らせんを構成している。

だから逆に言えばビタミンCによってコラーゲンのプロリン残基にヒドロキシ基が導入されなければコラーゲンはコラーゲンたりえない。

このようにしてビタミンCの欠乏により正常なコラーゲンが作れなくて起こる病気が壊血病である。

壊血病のことを「スコルビー」(英:scurvy)と言うらしい。

「壊血病(スコルビー)を防ぐ(否定の「ア」)酸 ⇒ アスコルビン酸」

という流れで命名されたとか。


ちなみに鋭い人は、ビタミンCのどこにもカルボキシル基等酸性の基が見当たらないと気づくかもしれない。

実は酸性の基はあって、「-C(OH)=C(OH)-CO-」の部分である。

下式のように電離して水素イオンを放出すると、生じた陰イオンはカルボニル基との共鳴により電子が非局在化されて安定化されるため、酸として働く。
(「陰イオンが共鳴で非局在化して安定化~~」;フェノールのヒドロキシ基が酸として働くのと同じ理由。)



ビタミンCの電離と陰イオンの共鳴




◎ 参考




今日はビュレットでの滴定操作がうまくいかなくてテンションが下がっています。

筆者は滴定が下手くそです。

滴定の上手/下手って言うのは、滴定の正確性のことです。

普通、例えば或るアルカリ溶液を中和滴定してその濃度を求めたいときは、測定は1回だけでなく少なくとも3回はします。

原理的には3回とも同じ滴下量になるはずです。

が、下手な人はこの滴下量にバラつきが出るのです。

例えば、今日の筆者の中和滴定の結果はこうでした;

1回目 20.30 ml
2回目 20.34 ml
3回目 20.01 ml

1回目と2回目の差は(筆者個人的には)まだ許容範囲でしたが、3回目の結果にガッカリ・・・

本当はバラツキは0.02ml(1滴分)以内に抑えないといけないらしい。

しかしなんなんだこのクソ結果は・・・ということです。

何なんでしょうねぇ・・・ちゃんと一滴ずつ注意して滴下してるつもりなのに・・・

コニカルビーカーの壁に溶液が付着してるとか、ホールピペットで測り取った時点で下手くそとか、そんなところが原因なんでしょうかねぇ・・・


ということで今日は憎きビュレットを紹介します。

ちなみに筆者の父親もビュレットと滴定操作が大ッ嫌いらしいです。



今日の器具No.7 :ビュレット



ChemSketchで描画


高校化学でもおなじみの、滴下量を測りつつ溶液を滴下するための器具。

ビュレットの液体を、下の受け容器の液中に滴下して反応させ濃度等を測ることを「滴定」という。

中和滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定・錯生成滴定、等の様々な滴定ができる汎用的な器具である。

また、狙った量を精密に滴下することができるため、滴定だけでなく有機合成などで一定量の反応剤を取る時に使うこともある。


ビュレットは普通無色透明のガラス製であるが、中には褐色の物(光に弱い物質を滴下するとき)や、プラスチック製の物もある。

普通容量は25mlか50ml。

後、滴下先の容器は普通コニカルビーカーを使う。

滴定は滴下しながら溶液を振り混ぜなくてはならないが、コニカルビーカーは首を持って振ることができるからである。

滴下してすぐは案外色が変わらないもので、結構激しく振らなければならない。

「まだイケる!」と思っていると、振ってみると完全に指示薬の色が変わってしまって等量点行き過ぎてました、ってこともよくあるから注意。

一滴ずつ、特に等量点付近ではゆっくり丁寧に振り混ぜながら滴下せねばならない。


あとビュレットは共洗いが必要です!

共洗いとは使用前に中に入れる溶液と同じ溶液を入れて洗うことです。

例えばもしビュレットが濡れていれば濃度が小さくなってしまうため、正確に体積を測っても意味がなくなってしまうからです。

逆に受け容器であるコニカルビーカーは濡れたままでもOKです!

なぜなら滴下を受ける溶液は、その溶液中の試薬の物質量が問題なわけですが、薄まっても物質量は変わらないからです。


◎ ビュレットの読み方。

ビュレットの図から滴下量を読む問題なんかは大学入試によく出されます。

ビュレットの目盛りは上が0で下に行くほど大きくなっています。
(当たり前ですが、滴下すると溶液は減って液面が下がっていくからです。)

あとビュレットは必ずしも滴下を始めるときの溶液の量を一番上の0に合わせる必要はないです。

滴下量は

(滴下量)=(滴下後の目盛り)-(滴下前の目盛り)

という前後の「差」だからです。

だから例えば



ビュレットの滴定前後の液面


なら滴下量は

(滴下量)= 30.2ml - 19.8ml = 10.4ml

です。

○ ポイント

何の器具でも目盛りを読むときは最小目盛りの1/10まで読みましょう。

また、目盛りはメニスカス(表面張力で曲がった液面)の底で読みます。
(真ん中の下がったところで読むか隅っこの上がったところで読むかで値が変わってしまう。)

ちなみに、水の場合では下に凸のメニスカスですが、例えば水銀では上に凸のメニスカスになります。

もし上に凸のメニスカスでは逆で、一番高いところで読みます。


ちなみに、一番上にビュレットの図を示しましたが、この図の場合では栓は開いています。
(すなわち容器がポタポタ出ている状態です。)

下にある活栓をひねることで開閉するわけですが、活栓が溶液の通る道(この場合では縦方向)と平行であれば「開」、垂直であれば「閉」です。

これはビュレットの活栓だけにかかわらず、ガスの元栓等でもそれが原則です。

覚えていると迷わないしミスをしないので、覚えておきましょう。
(たまに栓が開いているといると気づかずに溶液を上から入れて、下からドバドバ出てくるという間抜けで危険なミスをすることがあります。注意しましょう。)



◎ ビュレット等、体積が厳密な実験器具は高価。例↓


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