一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日は実験でなかなか良いデータが取れてご機嫌な筆者であります。

測定点が綺麗に一直線・・・相関係数の二乗;R2=0.9989!


さて、前回は還元作用で体を酸化から守ってくれているビタミンCについて紹介しました。
『今日の分子No.69 :L-アスコルビン酸』

その中で、同じようにビタミンEも還元作用を示すと書きました。

ということで今回はビタミンEを紹介します。


今日の分子 No.70 α-トコフェロール C29H50O2


Jmolで描画


ビタミンEの一種。

ビタミンEは抗酸化作用、すなわち還元性を持つ。

ビタミンCも還元性を持つが、ビタミンCはヒドロキシ基をたくさん持ち水溶性、ビタミンEは長いアルキル基を持ち脂溶性であり体内で使い分けられている。
(ビタミンA、C、E等、還元作用を持つビタミンを「抗酸化ビタミン」と言います。)

ビタミンEにはベンゼン環に置換しているメチル基の位置と数でα、β、γ、δの4種類がある。

その中でもα-トコフェロールが一番強力な抗酸化作用を示す。

抗酸化作用の強さは α>β>γ>δ であると言う。


ビタミンEは脂溶性であり、主な役目は細胞膜の脂質(RH)が含酸素フリーラジカル(ROO・)に変換されることによる傷害から細胞膜を保護することである。

もしフリーラジカルを放っておくと大変なことになり、ラジカルの高い反応性(水素原子を引き抜いたりする;酸化反応)により細胞膜が破壊されたり、DNAを損傷したりして「老化」の原因になる。

そこでビタミンEは電子と水素を供与し、フリーラジカル(ROO・)を過酸化物(ROOH)に変換(還元)する。

過酸化物(ROOH)は次に酵素的に無害なアルコール(ROH)にされ、体は守られる。


ビタミンEの還元作用を示す部分は上の画像で言うと右下部分、ベンゼン環と二つの酸素がある部分である。

具体的な反応は次のようである。

まず予備知識としてヒドロキノンC6H4(OH)2が酸化されてp-ベンゾキノンC6H4O2になるという可逆的な酸化還元反応があることを確認します。
(高校化学では出てこない反応ですが、代表的な二価フェノールとしてヒドロキノンは習ったりします。)



ヒドロキノン ⇔ p-ベンゾキノン の酸化還元反応


次にビタミンE、α-トコフェロールの構造を見てみましょう。



α-トコフェロールの構造式;ヒドロキノン型の構造がある。(R:アルキル基を省略)


ヒドロキノンと同じような構造があることがお分かり頂けるであろう。

この部分が酸化されてp-ベンゾキノン型になることで、相手(フリーラジカル等)を還元するのである。



α-トコフェロールの還元作用。(R:アルキル基を省略)


この様にしてビタミンEは還元作用を示すのである。



◎ 参考

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