一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日(厳密には昨日)の実験は散々だった・・・

実験内容は、簡単に言うと第二級アルコールの酸化。

高校化学でもおなじみの

R-CH(OH)-R → R-C(=O)-R

の反応で、第二級アルコールは酸化されてケトンになります。


次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として

C6H5-CH(OH)-C6H5 → C6H5-C(=O)-C6H5

の反応を起こそうとしました。

そのためにC6H5-CH(OH)-C6H5を溶かすための酢酸エチル80mlと、酸化剤の次亜塩素酸ナトリウム水溶液80mlを混ぜる必要があったのですが、実験のパートナーが

酢酸エチル80mlと酢酸エチル80mlを混ぜてくれました。

死亡フラグだ。色も違うから間違いようないだろオイ・・・

反応剤をセットしてしまっていたので、先生と相談して無理やり続行することに。

物は試し。溶媒を入れすぎたのなら反応容器を二つに分けて、そこへそれぞれ酸化剤を加えればよい。


地獄の幕開けである。


そして頑張った。無論本気で頑張った。

1.5時間後反応が終了し、そこから分液漏斗諸々を使っての生成物の分離が始まった。

しかし反応容器が2つあるから不純物の混入やロスも2倍。

分離のしにくい水が生成物と混ざってしまい、どうしようもない状況に。

この後はエタノールを加えて再結晶して精製せねばならないのに大ピンチ。

頑張って真空乾燥したが、どうしても乾燥できなかった。

仕方ないから湿ったまま無理やり再結晶操作に移る決心をした。

院生の先輩に

筆者「頑張ったらいけますよね!!」

院生「頑張ったらいける!!実験は根性でなんとかなる!」

なんとも非科学的な会話であるが、頑張ることに。

そして再結晶。

温めたエタノールに生成物を溶かす。

そして冷やして析出・・・・しない・・・!!

やはり度重なるロスで生成物が減ってしまったことが原因だろう。

絶望的状況。

振動させようが氷で冷やそうが一向に出ない。

しかしその院生の方に手伝ってもらい種結晶を入れてみると、見事析出!!!

歓声を上げた。うれしくてうれしくて、ろ過で結晶を得て精製完了!!


理論上得られる量に対する得た生成物の量の割合を収率という。

合成ではいかにこの収率をあげるかがポイントである。

この合成ではだいたい91%ほどの収率が見込めるという。

逆に言えば、70%とかの収率なら下手くそで、30%なんてクズ野郎扱いだ。


波乱万丈だったが結晶を得られた感動に浸りながら、わくわくして得た結晶の質量を測定。

測定された質量を見ると、もう嫌な予感しかしなかった。

いや、正直なところ得た結晶の量を見た時点で絶望的だった。


生成物の収率;0.3%!!

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