一般向け/高校生向け楽しい化け学
[255]  [254]  [253]  [252]  [249]  [248]  [247]  [246]  [245]  [244]  [243


昨日、近くのMARUZEN&ジュンク堂書店で筆者の思い出の本『アトキンス 分子と人間』(日本語訳版, アトキンス著, 東京化学同人)を購入しました。



『アトキンス 分子と人間』(画像はamazonより)


とても思い入れの強い本です。

っというのも、筆者が「分子ヲタク」になった原因はこの本だからです。

中学の図書室にあって、誰も借りないので当時中学3年生だった筆者は卒業まで半年以上ずっと借りてて毎日学校に持って行っていました。

それ以前から化学が好きだったんですが、この本がそれを一気に加速させました。

今回、その懐かしの本をついに購入したのです。
(近くになかなか売ってる書店がなくて、この店で初めて発見。)


ものすごく魅力満点な本です。

簡単に言うと、分子の紹介本。

カラフルな分子の充填モデルが描いてあって、綺麗な参考写真、的確で詳しくユーモアもある面白い説明文がたくさん。

索引や序章を除くと約160ページで160の分子について書いています。

1ページ1分子くらいの割合なので、大きな図、多くの説明で充実した内容。

大体こんな感じの配置↓



『アトキンス 分子と人間』の分子説明ページ(見開き)のイメージ。
☆ サイズはA4変版で大きくて見やすい本です。


特に図や写真で直観的に理解できるため、個人的には特に中学生くらいの年齢の方に読んでほしい。

「分子には形や大きさがある~」「1分子1分子個性があって面白い~」「こんな身近な所にも分子が~」っと、分子たちをとても身近に、フレンドリーに感じられること間違いなしです。

また、序章に原子と分子とは何か、構造式の書き方読み方、官能基、結合の種類など、基礎知識が書いてあるため初学な中学生でも十分に分子を楽しめるのです。

この序章は結構しっかりしたところまで書いてあって、中学生であった筆者はたぶん学年で唯一「線図」(Hを省略した構造式)の読み書きができる子になった。

しかもこの説明がめちゃくちゃわかりやすい。さすがアトキンス先生!


☆ Peter. William. Atkins(1940~)

オックスフォード大学の物理化学の教授。

『アトキンス物理化学』『シュライバー・アトキンス 無機化学』『新ロウソクの科学』等、ものすごく広い範囲の化学の本を出版しているすごい先生。

その博識ゆえに『アトキンス 分子と人間』で取り上げた分子やその説明文も詳しく、広い視点で、そして面白い。


ちなみに、「中学生向け」と書きましたが、高校生でも大学生でも読むととても面白いです。

筆者もさっき超久々に読んでみると

「プトレッシン(NH2CH2CH2CH2CH2NH2)・・・?何それ読んだはずなのに忘れてる・・・ほ~口臭にも含まれる腐ったニオイの分子とな!」

とか

「なるほど、ポリスチレンがポリエチレンほど弾性がないのは、フェニル基の相互作用が強くて鎖が動きにくいからなのか。当時は理解できてなかった・・・」

っと、楽しんでます。

なかなかマニアックで、高校や大学の化学を勉強した人でも楽しめます。



さて、『アトキンス 分子と人間』は素晴らしい「分子の本」ですが、筆者はもう一冊『パソコンで見る動く分子事典』(本間善夫・川端潤著, 講談社)という本もお勧めしたい。

この本も1ページに1分子の構造と説明文が載っている、分子とお友達になれる本です。



筆者の『アトキンス 分子と人間』(左)と『パソコンで見る動く分子事典』(右)
この二冊は筆者の化学人生に大きな影響を与えた、思い入れの強い書籍。


これも筆者の大好きな分子紹介の本。

この本は筆者が高校生の頃購入して毎日のように学校に持って行っていた本です。

一方こっちは個人的には高校生以上向け。
(数値・物理化学的計算等アドバンスな内容が載っている。白黒で文字が小さい。等の理由から。)

こちらも内容は分子の構造、利用法や豆知識。

比較的新しく(2007年出版)なのでトレンドな内容も取り扱っていて面白い。

分子の系統名、性状、匂いや、融点、沸点等の数値データも載っていて詳しい。

さらに物理化学的な意味や、分子の立体化学等アドバンスなコラム等も多数。

現在の筆者の脳内分子図鑑に大きなウエイトを占める主力武器。


そして何よりも特筆すべき点は3Dの分子の立体構造データ集付きのJmolのDVD-ROMが付いていること。

これをパソコンにインストールすると、3Dの分子を自由に回転させたりして分子の立体構造を楽しむことができます。



『パソコンで見る動く分子事典』付属ソフト(Jmol)の実行イメージ。


直観的に分子と触れ合えること間違いなし。


以上、2つの書籍を紹介しましたが、筆者個人はこういう「構造モデルを主体とした分子の紹介本」はとても重要だと思います。

構造式を覚えるんじゃなくて、分子モデルで大体のイメージをつかむ。

構造式では伝わらない立体感も分子モデルではわかる。

このHPの分子紹介もできるだけ3Dの分子モデルを使うようにしています。

筆者は「分子には形と大きさがある」と、分子をモノとして具体的にイメージしてもらいたいです。


また、化学は官能基の種類や構造などで複数の分子の間に共通性を見出していく所がありますが、逆に個々の分子の性質を知ってからそれらの性質を支配する物理化学的な意味を理解してゆくのも良いと思います。

実際にこの世に存在している分子は、具体的な構造を持ったものであるわけですから。


分子と友達になるのは楽しいですね。



◎ オスススメ

    

拍手

ブログ内検索
PR
Twitter-bot

Twitter @Chemis_twit (管理人)
Copyright 放課後化学講義室 All rights reserved



< カウンター since 2010/9/24 >