一般向け/高校生向け楽しい化け学
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ここ最近、「化学の英語論文を読んでみたい!」という高校生何人かとTwitterでお話ししました。

大学生なら大学で引けばいいわけですが、高校生ではそうはいかないもの。

論文を読むにはもちろんお金が必要です。

でも実は、「オープンジャーナル」という一部無料で読める論文誌があります。

今回は部活や趣味で化学の論文を読んでみたい高校生やその他一般の方のために、オープンジャーナルの種類と読み方を紹介します。


論文誌(ジャーナル)とは

そもそも論文とはなんでしょうか。

論文とは、大学やその他研究機関で出た研究結果をまとめたものです。

書いた論文を、その分野や成果に見合った適切な論文誌(ジャーナル)に投稿します。

投稿された論文は掲載される前にその分野の専門家(主に大学の先生)にチェック(査読)され、論文誌に対して十分に内容が伴っていれば合格(アクセプト)になります。

逆に内容が悪かったり、投稿する論文誌が適切でないと不合格(リジェクト)になります。

世の中には様々な学会や出版社が様々な論文誌を出しています。

例:

アメリカ化学会(ACS)

・ Journal of The American Chemical Society(JACS);化学の総合誌。最高峰。

・ The Journal of Organic Chemistry(JOC);有機化学誌。

・ Inorganic Chemistry;無機化学誌。

Wiley社

・ Angewandte Chemie;応用化学誌。JACSと並んで人気。

・ Chemistry - A European Journal;ChemPubSoc Europe(ヨーロッパの化学会連盟)サポートの論文誌。

・ Advanced Materials;応用材料化学誌。

等。

他にも英国王立化学会(RSC)エルゼビア社等も有名です。


また、本来論文誌は月ごと等に冊子体を発行しますが、最近はほとんどの場合インターネットでPDFファイルをダウンロードして読めるようになっています。

冊子体を発行していない電子論文誌も増えてきています。



オープンジャーナルとは

上記論文誌を購読すると、もちろんお金がかかります。

一報引けば3000円、年間購読で数万円といったところです。

しかし中にはオープンジャーナルという、無料で読める論文誌があります。

これは著者が出版費を負担することで成り立っています。

無料で読めるので読み手が増え、著者らはより多くの人に自分の研究をアピールできます。


一方で、オープンジャーナルには粗悪な論文誌がちらほら。

ジャーナル側は論文を掲載すれば掲載するほど儲かるため、査読論文でも実質査読なしのような無法地帯になっていたり。

だからちゃんとした読むならオープンジャーナルを選ばないといけません。(普通の論文でもそうですが。)

あと、オープンジャーナルでも大学の図書館等を通さないと読めないものもあります。

今回は誰でもインターネットで読むことができるWiley社のChemistryOpenと、Hindawi社のジャーナルについて紹介します。


ChemistryOpen(Wiley社)


大手出版社Wileyが今年(2013年)から出版を始めたオープンジャーナル。

ChemPubSoc Europe系列の論文誌とのこと。

論文の体裁や内容がWileyクォリティーなので、読みやすくてちゃんとしてます。

まだ創刊まもなく論文数が少ないですが、これからどんどん増えていくでしょう。

オススメです。


【読み方】

1. ChemistryOpenのトップページにアクセスします。


2. 号(volume)を選びます。例えば最新号(December 2013)を選んでみます。




3. すると下のような、その号に掲載されている論文がずらーっと並んでいるページにつきます。




4. 読みたい論文を選ぶ。

リストの上の方は表紙や目次です。

例えば上から10番目の『Solid-State-Trapped Reactive Ammonium Carbamate...』(J. Woutersら著)という論文を読んでみましょう。

「PDF」をクリックします。




5. 読めます!!!





Hindawi社の色んなジャーナル


オープンアクセス誌出版社の大御所、Hindawi社。

「Journal of Chemistry」「Organic Chemistry International」等のジャーナルがあります。

聞きなれない出版社でちょっと怪しげですが、大手だけあって意外とちゃんとしてます。(少なくとも見た感じは。)

「Web of knowledge」(論文検索インデックス)でも引っかかるし、インパクトファクター(論文引用率)が計算されているジャーナルもあります(低いけど)。

論文数はかなりたくさんあるので、読んで遊ぶ程度には十分使えると思います。

「へー、こんなマニアックな物質もこんなふうに使えるんだ~」くらいの知識にはなります。


【読み方】

1. ジャーナル誌の一覧ページにアクセスします。


2. ジャーナルを選びます。例えば「Journal of Chemistry」を選びます。




3. するとジャーナルのトップページへ飛ぶので、次に「Table of contents」(目次)を選びます。




4. 論文が並ぶので、好きなのを選びます。

例えば一番上の「Cocoa Polyphenols: Can We Consider Cocoa and Chocolate as Potential Functional Food?」というちょっと興味引かれる論文を選んでみます。




5. 右欄の「Full-text PDF」を選ぶと本文がダウンロードできて、読めます。





以上。

オープンジャーナルに掲載されている論文は残念ながらあんまり良い成果のものではありませんが、化学英語の勉強やマニアック物質の情報源にはなります。

英語論文を読んだことない方はぜひ一度見てみてください。

有料のジャーナルでも論文の形式は同じなので、論文がどういうものかを知るにはぴったりです。

化学英語の勉強にして良し、部活動で使うも良し、ぜひご活用下さい。

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