一般向け/高校生向け楽しい化け学
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前回、前々回、前前々回記事では「pKa」という数値がよく出てきました。

この値はどういうものなのでしょうか?

今回はpKaについてきちんと説明してみます。


◎ pKaとは?

ではまず、例えば酢酸の電離平衡の酸解離定数をKaとします。



酢酸の電離平衡




酢酸の酸解離定数Ka ・・・・(1)



酸解離定数は、その電離平衡が右側(電離側)にどれだけ偏るかを示す指標です。

すなわち、酸の酸性度を表します。

酢酸の場合は

Ka = 1.74×10-5

です。

もっと強い酸、例えば塩酸では

Ka = 1×108

です。

Kaは大きな値であるほどその物質は酸性度が大きいと言えます。

※ (1)式を見てください。Kaが大きいと右辺の分数の分子が大きいと言うことになるので、[H+]の値が大きくなりより電離するということになります。


さて、本題のpKaについてです。

pKaは次のように定義されます;

pKa = -log Ka ・・・・(2)

これだけです。
(※常用対数です。)

何も難しくはありません。

しかし何故Kaをこんな定義でpKaで書きかえるのでしょうか?

理由は、値を簡単に書けて、かつ分かりやすいからです。

酢酸は

Ka = 1.74×10-5

pKa = 4.76

です。

これで一目瞭然な様に、pKaで書くと「×10○○」を書かなくてよいので、楽だし、計算機での計算もしやすく、スペースも取りません。


ここで思い出して貰いたいのが「pH」です。

pHの定義は;

pH = -log [H+] ・・・・(3)

です。

pKaの定義式(2)と比べてみてください。

「-log」が同じです。

化学では「pH」とか「pOH」、「pKa」、「pKb」、「pKw」、「pK2」、「pM」等の値が出てきますが、それぞれ

pH = -log [H+]

pOH = -log [OH-]

pKa = -log Ka

pKb = -log Kb

pKw = -log Kw

pK2 = -log K2

pM = -log [M+]

で、同じ形の定義式になっています。

要するに

p○○ = -log ○○

なのです。

これら値の定義は暗黙の了解になっていて断りなく書かれていたりしますが、この基本の定義を覚えておけばいきなり出てきても焦りません。

だからぜひ覚えておきましょう。

たまに大学入試でもこれらの値が出題され、受験生を戸惑わせますが、上記の定義を知っておけば何も焦る必要はありません。ただいつもの値の逆数の対数を取っただけです。


さてpKaの話に戻ります。

弱酸と強酸でpKaの値を比べてみましょう。

酢酸;pKa = 4.76

塩酸;pKa = -8.0

pKaの値は塩酸の方が酢酸より小さくなっています。

定義式(2)でわかるように、pKaの値が小さいほど強い酸ということになります。

そして、pKaの値は1違うと酸性度(Ka)は10倍違うということになります。

塩酸と酢酸では、塩酸の方がpKaが11小さいので、塩酸の方が1011倍強い酸と言うことになります。

このように、pKaを見ると酸の強さが簡単に比較できます。


また、pKaにはこんな重要な公式があります。

例えば酸をHA、その共役塩基をA-とします。

次の解離平衡を考えます。



電離平衡




解離定数Kaの定義式 ・・・・(4)


ここで、Kaの定義式(4)式の両辺の対数を取り、マイナスを掛けます。

そして

-log Ka = pKa

-log [H+] = pH

と置き換えると次の式が得られます。



ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式 ・・・・(5)


この式をヘンダーソン・ハッセルバルヒの式と言います。

pHと、pKaと、HAとA-の濃度比の関係を表す式です。

すなわちpKaがわかっている酸があるとし、その溶液のpHを決めればHAとA-の濃度比、すなわち電離度がわかると言う便利な式です。

また、逆もしかり。


ちなみに、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式(5)からこんなこともわかります。

[HA] = [A-]のとき、

すなわちHAとA-の濃度が1:1のとき、

さらに言いかえればすなわち酸HAの電離度が50%のとき、

-logの項が0になるため、

pH = pKa

となります。

すなわち、pKaとは酸HAが50%解離するときのpHの値なのです。

酢酸を例に取ると、pHに対する酢酸の電離度αは次のグラフになります。



溶液のpHに対する酢酸の電離度α


酢酸のpKaは4.76ですが、ちょうどpH=4.76の時に電離度αは0.5になっています。

だからpKaは便利なのです。


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◎ 参考


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