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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日はカプサイシン等のアルカロイドの仲間として、昨日紹介したモルヒネとニコチンについて。
(ニコチンは次の記事にて。)

「今日の分子」シリーズNo.3はこの分子、モルヒネ C17H19NO3


Jmolで描画, クリックで拡大。


アヘンに含まれるアルカロイドで麻薬の一種。

習慣性が著しいので法律で麻薬として指定され、使用は制限されている。

しかし塩酸塩は麻酔として用いられ、鎮痛・鎮静薬となるため医療の現場では必要な物質。

分子の形としては立体的な複数の環構造で成っている。

右下の青いのが窒素原子で、塩基性を示す天然の有機化合物のアルカロイドである。

ちなみに赤色は酸素原子である。


◎ 参考
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「今日の分子」シリーズNo.2はこの分子、カプサイシン C18H27NO3


Jmolで描画, クリックで拡大。


トウガラシに含まれる辛味成分カプサイシン。

窒素原子を含み、塩基性を示す天然の有機化合物のアルカロイドと呼ばれるグループの分子。

アルカロイドには他に麻薬のモルヒネやタバコのニコチン等があり、人体へ特異な影響を及ぼすものが多い。

カプサイシンは口に含むと辛く、また皮膚に塗ってもヒリヒリ熱いような感覚になる。

応用して、貼ると温かく感じる温湿布に使われたりする。


新PCに変えたらこういう3D系の分子描画ソフトがとてもスムーズに動くようになりました!!

WinMOPACというソフトで分子軌道計算をしたり、このJmolというソフトで分子を表示したりすることが多い私としてはこのPC購入はかなり有意義なものでした。


◎ 参考


「今日の分子」シリーズNo.1はこの分子、F-ギトニン C50H82O23


Jmolで描画, クリックで拡大。

天然界の面活性剤、F-ギトニン。

界面活性剤とはセッケンなど油とも水ともなじみ、本来混ざり合わないもの同士を混ざるようにする物質のことです。

またこのように混ざるようにする性質を乳化作用といいます。

なぜF-ギトニンはセッケンのような作用を持っているのでしょうか。

まずセッケンの場合から考えてみましょう。

教科書に載っているようにセッケンには親油性の長いアルキル基に親水性のカルボキシル基(が電離したもの)を分子内に持つことで、下のように水の中で油を取り込み分散させます。




またこの図のように界面活性剤分子が球のように集まっている状態のものをミセルといいます。

では上のF-ギトニンの構造を見てみましょう。

この分子も割りと細長い形のようです。

その一端の左下の部分は親水性のヒドロキシ基がたくさん付いていて、一方もう片端の右上部分は大きなアルキル基で親油性です。

すなわちセッケンのようにカルボン酸の塩でなくとも、細長い分子の両端に親油基と親水基がある同じような構造をしているのでF-ギトニンも界面活性剤として作用するのです。

ちなみに水にも油にも溶ける物質のことを両親媒性物質と言います。


◎ 参考

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