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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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昨日・一昨日は体に影響を与えるアルカロイド分子を取り上げたので、今日もそれに関連して他の物質をあげてみます。

「今日の分子」シリーズNo.5はこの分子、テトラクロロジベンゾパラジオキシン C12H4O2Cl4


筆者自作の発泡スチロール分子模型


舌噛みそうなややこしい名前の分子。

もっと正確に言うと2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン。

ちなみに切るところは テトラ/クロロ/ジ/ベンゾ/パラ/ジ/オキシン 。

「四つの塩素で置換されたベンゼン環が2つくっ付いた、反対位置に酸素が置換しているジオキシン」という意味。

ジオキシンとは、"酸素二つのベンゼン環もどき"な分子のことで、上の分子模型で言うと真ん中の酸素(赤色)入りの六角形である。

またちょっと発音変わっているが、ジオキシン(dioxin)とはダイオキシンのこと。

要するにテトラクロロジベンゾパラジオキシンはダイオキシンの一種である。

しかもダイオキシンの中でも最も毒性の強いものと代表されるもの。

催奇性があり、また発がん性があるといわれる。

ダイオキシンはベトナム戦争で使われた枯葉剤に含まれていたことなどで有名。

また塩素系プラスチックを燃やしても不完全燃焼体としてダイオキシンが発生することがあり、注意が必要。

このことから学校の焼却炉が使用禁止になった。

それまではゴミは何でもかんでも適当に燃やしていたということだから恐ろしい。


中学生の頃、筆者はこの分子の構造を知りその毒性も含めて非常に興味を持った。

中3のときの"班ノート"(先生のコメントがつく班の中の交換ノート)に、この分子の構造と性質について延々と書き連ねたことがあるのを覚えている。

はたから見ると変な少年であった。


ちょっと背景の重い分子が続いたため次は楽しい分子を紹介しようと思います。

なににしようかなぁ。
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そして前記事と連続して「今日の分子」シリーズNo.4はニコチン C10H14N2


Jmolで描画, クリックで拡大。


タバコに入っていることが有名なニコチン。

純粋なものは無色の油状液体。窒素が2つ含まれていて、アルカロイドの一種である。

中枢神経・末梢神経を興奮させ、血管を収縮させて血圧を高める。一方タバコ以外にも利用されていて、硫酸塩は農業用殺虫剤。(参考;スーパー大辞林)

タバコは吸わないほうがいいですね。麻薬の仲間のアルカロイドを吸うのだと考えたら吸わないほうが良いのは歴然。ちなみに筆者はタバコを吸ったことがないので常習性という真の恐ろしさを知らない。

昔作ったニコチンの発泡スチロール分子模型(高1くらいだったかな・・・)




◎ 参考


今日はカプサイシン等のアルカロイドの仲間として、昨日紹介したモルヒネとニコチンについて。
(ニコチンは次の記事にて。)

「今日の分子」シリーズNo.3はこの分子、モルヒネ C17H19NO3


Jmolで描画, クリックで拡大。


アヘンに含まれるアルカロイドで麻薬の一種。

習慣性が著しいので法律で麻薬として指定され、使用は制限されている。

しかし塩酸塩は麻酔として用いられ、鎮痛・鎮静薬となるため医療の現場では必要な物質。

分子の形としては立体的な複数の環構造で成っている。

右下の青いのが窒素原子で、塩基性を示す天然の有機化合物のアルカロイドである。

ちなみに赤色は酸素原子である。


◎ 参考


「今日の分子」シリーズNo.2はこの分子、カプサイシン C18H27NO3


Jmolで描画, クリックで拡大。


トウガラシに含まれる辛味成分カプサイシン。

窒素原子を含み、塩基性を示す天然の有機化合物のアルカロイドと呼ばれるグループの分子。

アルカロイドには他に麻薬のモルヒネやタバコのニコチン等があり、人体へ特異な影響を及ぼすものが多い。

カプサイシンは口に含むと辛く、また皮膚に塗ってもヒリヒリ熱いような感覚になる。

応用して、貼ると温かく感じる温湿布に使われたりする。


新PCに変えたらこういう3D系の分子描画ソフトがとてもスムーズに動くようになりました!!

WinMOPACというソフトで分子軌道計算をしたり、このJmolというソフトで分子を表示したりすることが多い私としてはこのPC購入はかなり有意義なものでした。


◎ 参考


実は新しいPCを購入して今日届きました。

元々使ってたのが結構寿命が来たのと、HPを始めるにあたってウィルス対策を強化する必要が出てきたので思い切って購入。

Corei7のクアッドコア!

CPUの速度の速いこと速いこと!

ちなみに"クアッド"とは"4つの"ということを表していて、クアッドコアとは4つのコアということです。

人間にたとえると脳みそが4つあるようなことで、要するにスゴイってことです。


ちなみにパソコンのコアが二つのときは"デュアルコア"といいます。

"デュアル"が"2つの"という意味で、任天堂DSの"DS"は"デュアル・スクリーン"(2つの画面)の略です。

もっとすごいパソコンにはヘキサコア;コアが6つの物などもあります。


ではこの数字に対応する言葉について、化け学の話をしてみましょう。

パソコンでコアの数を数えるのは英語ですが、化学で1,2,3...と数えるときはギリシャ語を使います。

高校の有機化学の分野でも習うので、1~10は覚えましょう。

数字ギリシャ語
1モノ
2
3トリ
4テトラ
5ペンタ
6ヘキサ
7ヘプタ
8オクタ
9ノナ
10デカ


白黒の一色はモノクロ、八本足のタコはオクトパスというし意外と身の回りの言葉にも入っています。

化学での使用法になじみのあるのは、炭化水素のアルカンの5以上の炭素数からつけられた名前でしょう。

炭素数アルカンの名前
1メタン
2エタン
3プロパン
4ブタン
5ペンタ
6ヘキサ
7ヘプタ
8オクタ
9ノナ
10デカ


また置換体で、その置換されている数のを表すのにも使います。

たとえばメタンで水素1つが塩素に置き換わった物はモノクロロメタン。

2つではジクロロメタン、3つではトリクロロメタン、4つではテトラクロロメタン、というような感じです。

このようなギリシャ語数詞は、とりあえず10までは覚えましょう。

ちなみに筆者は9999まで覚えているので、例えばC9999H2000の化学式のアルカンの名前は"ノナノナコンタノナクタノナリアン"と答えれたりします。
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