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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日から始まる「今日の器具」!

というのも、昨日実験してるとなんかみんな写真を撮る雰囲気になったので便乗して撮ってみたから。

今日の器具 No.1、リービッヒ冷却器


2010/10/28 筆者撮影 ※クリックで拡大


写真中央のガラス管が高校化学でもお馴染みの実験器具である。

中に冷却水を流すことができる。(水道の蛇口に黒いゴム管をつないでいる。)

筆者が最も敬愛する化学者、リービッヒ博士が考案されたという。

リービッヒ冷却器


写真では、

① 左のナス型フラスコを加熱して中に入っているベンズアルデヒド(不純物入り)を沸騰させる。

② 蒸気が冷却器を通るとき、冷却器は中を水が流れているので、冷却され液体に戻る。

③ 液体になった純粋なベンズアルデヒドは冷却器の壁を伝い右のナス型フラスコに集められる。

というように蒸留でベンズアルデヒドを精製して純粋なものを得ている。

リービッヒ冷却器に水を流すときは下から上へ流さなければならない。

なぜならば下から流すと冷却器に水を満たして上から溢れ出させることができるが、上から流すと冷却液が中にたまらずに壁を伝ってすぐしたから流れ出てしまうからである。

こう書いたら当たり前のことだが、重要で大学入試の練習問題によく出題される。

すばらしい実験器具なので絶対に覚えておこう!!


◎ さすがリービッヒ冷却器!amazonでも売ってる!


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エーテルの合成法に関するレポート書いてたら現在午前四時・・・

しかしレポート書いてたら気分が高揚するので眠気が吹っ飛ぶよね。

え?俺だけ・・・?

ってことでエーテルが今日の分子。

今日の分子 No.23、ジメチルエーテル CH3OCH3


Jmolで描画


ジエチルエーテルCH3CH2OCH2CH3と同じく溶媒として使われたり、燃料として使われたりする。

芳香があって水にあまり溶けない液体。

沸点、引火点、発火点が低いため加熱や火気の取り扱いには注意。


エーテルとは R-O-R' の構造を持つ有機化合物で、またこの -O- をエーテル結合という。

アルコールの構造異性体(一般式が同じ)なのは高校化学で重要。


ジメチルエーテルはメタノールCH3OHに硫酸を加えて加熱すると、メタノール二分子から水H2Oが取れてくっついて生成する。(脱水縮合)

2CH3OH → CH3OCH3 + H2O

ジエチルエーテルの合成反応と同じく、これは重要な反応である。


ジメチルエーテルやジエチルエーテルのときはこの反応がうまくいくのだが、他の場合はそうとも限らないというのが大学レベルの化学。

予想外なものができたり、やたらと副生成物ができたりしてしまうことがある。

っというのをひたすらレポートに書いてたらこんな時間・・・


気がつけば2010年10月26日現在本サイト閲覧者数が延べ370人になっています。

昨日なんてなんと20人も来てくれました。

稚拙な文なのに結構見てくれる人がいて感謝です。

「アクセス解析」と呼ばれる自サイトへのアクセス状況がわかる機能があるのですが、それによると「スライム 原理」や「リンスインシャンプー 構造」、「ガス チオール におい」などで検索かけてくる人が多いです。

要するにいろんな人が日常の化学について疑問を持っているということで、筆者がその期待に答えれたのかもしれないと思ったらうれしいやらでもちょっと恥ずかしいやら。

これからも日常に潜む化学を解説していけたらなと思います。

・・・が、意外と忙しくて雑学ページを増やせない!!

学生は暇だといいますが、これが両極端で忙しい人(忙しくしている人)は結構忙しいです。

筆者は自分をできるだけ忙しくしようとしています。

忙しいということは、それだけ仕事の密度が高いということ。

すなわち人生の密度が高いということ。

ちょっと今はブログの更新で精いっぱいですが、今週末はちょっと開くからなにかアップできる・・・はず!

今も実は学校から更新中。

げ、時間だそろそろ行かないと!


今日はレポート課題のために論文を引っ張ってきた。

論文を読むのにはお金が必要なのだが、大学が電子ジャーナルを買って学生が自由に見れるようにしているのでそこから拝借してきた。

ちなみに、化学に限らず世の中に発表する論文というのはいわゆるジャーナルという雑誌に投稿する。

漫画の出版社に自作の漫画を持ち込むのと似ている。

自分の書いた論文が認められれば掲載されるし、質が悪ければ載せてもらえない。

人気のあるジャーナルに掲載されるのは難しい。

人気のあるジャーナルに掲載されて世のたくさんに人に自分の論文を見てもらうのが我々の目的のひとつである。

しかしクソ真面目な研究発表だけでなく、世の中にはユーモアに富んだ面白い論文も存在する。

例えば、これは筆者の先生が教えてくれたのだが「There is a hole in my Bucky」(私のバッキーには穴がある)というわけのわからん論文のタイトルがあるらしい。

ふざけてんのか!!っというタイトルだが、実際に最も権威のあるアメリカ化学会に通った論文らしい。

しかし研究内容はすばらしいもので、確かに評価されるべきものである。

「Bucky(バッキー)」とはフラーレンC60(下図)のことなのだが、かごのようなフラーレンに穴をあけることに成功したという内容らしい。

フラーレン C60

Jmolで描画


でもそのタイトルはねーよ(笑)

ちなみに今日もらってきた論文は Photo-induced electron Transfer を用いた金属イオンの chemosensor に関するものである。

もちろんながら論文は全部英語です。


ここんとこ難しい分子ばかりだったので、また簡単な分子に話題を切り替えます。

今日の分子 No.22、アンモニア NH3


Jmolで描画


中学校の理科の実験でほとんどの人がこのアンモニアの激臭を体験したと思います。

鼻を刺すような強烈な臭気を持ち、非常に水に溶けやすい気体分子である。重要!

以下のように電離してアンモニウムイオンになり、水酸化物イオンを出すので水溶液はアルカリ性である。重要!

NH3 + H2O → NH4+ + OH-

※ アンモニア水はアルカリ性なので目に入ると角膜を溶かすので危険!

分子の形は三角錐型。重要!(詳しくは 分子のカタチ を参照)

なんとも「重要!」な分子である。

実際大学の実験でもアンモニア水をよく使うので、あの匂いを嗅ぐハメになる。

アンモニア水と、強酸との塩との混合物は緩衝溶液になるので非常に重要なのである。


アンモニアに関する高校で習う化学反応で重要なものに、例えばアンモニアの工業的製法(ハーバー・ボッシュ法)がある。

N2 + 3H2 → 2NH3

これは四酸化三鉄の触媒下で気体の窒素からアンモニアを作れるという重要な製法である。

またこれに続いて、アンモニアを白金触媒下で酸素と反応させると一酸化窒素になる。

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O

さらに一酸化窒素は容易に酸化されて二酸化窒素になる。

2NO + O2 → 2NO2

そして二酸化窒素を水に溶かすと硝酸と一酸化窒素を生じる。

3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO

このようにして硝酸を製造する方法をオストワルト法という。重要!


他にも、アンモニアは二酸化炭素と高温高圧で反応させると脱水縮合して

2NH3 + CO2 → CO(NH2)2 + H2O

となり、尿素になる。

体内の余分なたんぱく質などを排出するとき、アンモニアは人体に有害なので無害な尿素にされて排泄物(尿)として捨てられます。
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