一般向け/高校生向け楽しい化け学
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昨日・一昨日とたんぱく質の話だったので、今日はそれに関連してアミノ酸を紹介します。
今日の分子 No.21、グリシン H2NCH2COOH
最も簡単なアミノ酸。
アミノ酸とは RCH(NH2)COOH の構造を持つ分子で、置換基Rによってたくさんの種類がある。
アミノ基(-NH2)を持つカルボン酸(-COOH)だからアミノ酸。
グリシン等普通のアミノ酸はカルボキシル基から数えて1つ目(α位)の炭素にアミノ基が付いているα-アミノ酸である。
アミノ酸のアミノ基と、他のアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合してできた分子をペプチドといい、これがさらに長くなっていったものをたんぱく質という。
このときできた結合はアミド結合 R-CO-NH2-R' であるが、アミノ酸同士のときはペプチド結合と呼ばれる。
また、RがH以外のときは不正炭素原子になるので光学異性体(D体、L体)が存在する。
しかし自然界には基本的に片方のL体だけが存在し、D体は特殊な菌などが持つ他はないという不思議な性質を持つ。
グリシンはアミノ酸の一般式 RCH(NH2)COOH のRがHで、唯一光学異性体を持たないアミノ酸である。
有名なたんぱく質のコラーゲン等に多く含まれる。
ちなみに甘いらしい。
コンビニのおにぎりの裏の表示を見ても大体入ってると書いてあります。
グリシンは調味量・保存料になり、食品添加物として使われているのです。
有機合成薬品株式会社さんの このページ にわかりやすく載っているのを見つけました。
◎ 参考
・ 有機合成薬品株式会社HP
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昨日のクロロフィルで、実際に生物がもつ分子は非常に複雑であることが多いことを紹介しました。
ついでなので今日もたんぱく質でいってみましょう。
今日の分子 No.20、プリオン
問題になった牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)の原因物質と言われるたんぱく質。
健康な牛の体内には正常プリオンと呼ばれる普通のたんぱく質があるのだが、これが立体的に変性して異常プリオンになるという。
この異常プリオンが原因で発症するという説がプリオン説であるが、まだ確証はないらしい。
しかし上のモデルを見てもちっとも構造がわからない。
たんぱく質を構成しているのは種々のアミノ酸であるが、議論したいのはたんぱく質の立体的な形である。
筆者が使っている分子描画ソフトJmolにはこんな機能がある。
これは上と同じプリオンである。
ぱっと見劇的に変わったが、これはたんぱく質の立体的な構造のみに着目した表示方法なのである。
ピンク色のクルクル巻いたような構造を「α-ヘリックス構造」、黄色のシート状の構造を「β-シート構造」といい、またこれらの立体的構造を「二次構造」という。
構成するアミノ酸の水素結合の仕方によって立体的な形が決まり、このような構造になる。
ちなみにα-ヘリックスもβ-シートも二次構造も高校の化学Ⅱに出てくるので何気に重要。
もう一つわかっていなければならないことは、たんぱく質はあまり強くない水素結合により立体的に形作られた脆い分子であること。
だから熱をかけたり重金属イオンが入ってくると構造が壊れてしまう。
たんぱく質は立体構造が崩れると機能を果たさなくなり、狂牛病や重金属障害などの症状を起こす。
◎ 参考
昨日太陽の話でクロロフィルの部分構造を示しました。
今日はそれをもう少し深く紹介しましょう。
今日の分子 No.19、クロロフィル
植物の葉の葉緑体に含まれている緑色の色素で葉緑素とも言う。
これに光が当たると光合成の反応を起こしてくれる。
毎日のように緑の葉っぱを見ているだろうがまさにこの分子の色であり、また我々は光合成の恩恵で
お米も食べれているわけなので、非常に身近な分子といえよう。
しかし・・・上の分子モデルを見ても全くわけがわからない!
というのも、クロロフィルは本来光合成を起こす部分と複雑なたんぱく質がくっついたもので、非常にややこしい大分子なのだ。
上のモデルを見ると緑色(マグネシウム)原子が青色(窒素)原子に囲まれた部分がある。
この部分を拡大すると下のような分子(クロロフィルa)になり、この部分が直接光合成に関係している。
この分子は単結合と二重結合が交互に長くつながっている構造(共役π電子系)を持っている。
アゾ染料もそうであるが、実は単結合と二重結合が交互に長くつながっている構造を持つ分子は色が付いていることが多い。
そして「色がある=光を吸収している」ので、そのような分子は光が当たると吸収したその光エネルギーを使って面白い反応を起こしたりする。
クロロフィルの場合は吸収した光エネルギーを使って
6CO2 + 6H2O → C6H12O6 + 6O2
の反応、すなわち光合成を行ってくれる。
筆者はこのような単結合と二重結合が交互に長くつながっているような分子に光を当てて光エネルギーを変換するという研究分野にとても興味がある。
◎ 参考
今日は大学の図書館で面白い本を借りた。
『分子を超えて―錯体の世界』
オススメです。ユーモアたっぷりの本で「犬にタコを食わすな」とか「ゴキブリの愛のささやき」とか謎めいたフレーズ盛りだくさん。
超分子化学の本を探していて借りたんだけど、図解が多くてわかりやすい。
しかし思いもよらぬ面白い本である。
たとえばこの表題の「太陽は99.97%神様である」を引用してみよう。
"地球表面に入ってくるエネルギーをみますと、太陽放射として入ってくるものと、地球内部のエネルギーが岩石を伝わってくる地熱や火山、温泉といったかたちで地上に出てくるものとに分けられます。しかし後者はせいぜい0.03%で、あとの99.97%は太陽放射として入ってきます。"
だから99.97%太陽は神様なのだ、と。
例えば我々はお米を食べますが、そのお米は太陽の光のエネルギーで光合成して成長しているので、結局太陽のエネルギーを食べていることになる。
燃料に使う石油―化石燃料、昔の生物の死骸―も、要するに太陽からエネルギーを蓄えたものである。
生物はエネルギーなくしては生きられない。
そのエネルギー元が99.97%太陽から来るのでは、太陽が99.97%神様といわざるを得ない!!
しかし0.03%は神様じゃないんだから、結局太陽は神様じゃないのか・・・ってね。
ちなみに、この場合は科学的に"不可欠!"という意味で太陽を"神"と喩えていますが、いわゆる「全知全能の神」はどうでしょうか。
実は1987年、全知全能(=無矛盾な存在)の神は存在しないと数学的に証明されたらしいです。
筆者は数学が苦手なのであまり知らないが、「ゲーテルの不完全性定理」=「自分自身が無矛盾であることを証明できない」(!??)っていう定理があって、1987年にグレゴリー・チャイティンとう人がこれが数学全般に働くと証明し、結論が「神は存在しない」らしいです。
なんだかよくわからないけど、神はいないということにホッとしてみたり夢を壊されたりするような内容ですが、別に筆者は宗教批判に興味はないので「ふ~ん」でお終いにします。
でも内容的には興味を引く面白い数学の命題ですよね。
◎ 参考
- 『分子を超えて―錯体の世界』
, 錯体化学研究会編, 化学同人(1991)
昨日、筆者が受け持っている塾の授業で分子模型を使ってみると、結構食い付きが良かった。
ただ、予想より学校の授業進度が遅かったので空回り気味であったが・・・
しかし分子模型で遊ぶだけで高校の有機化学の構造異性体やシストランス異性体のことはほぼ理解できると思う。
単結合は回るからC-Cのつながり方が~~~、二重結合は回らないから置換基が対角線上にあるのと片一方に寄っているのでは違う分子、とか。
たぶん生徒たちはパズル遊びくらいな感じしかしなかっただろうが、それでいいと思う。
実際炭化水素の構造異性体の数え上げ問題はほぼパズル遊びだ。
ベンゼンの分子模型 |
学校では構造式だけで分子が抽象的なものになってしまっていると思うから、できるだけ分子模型や分子モデルで立体的な分子に触れてほしいと思う。
だからこのサイトでも構造式よりも分子モデルを使うようにしている。
でも本当はパソコンの画面よりも実際の分子模型を触ったほうが、ずっと理解しやすくていいと思う。
なので皆さんも分子構造模型セットとかを買って、自分で遊んでみましょう。
ただ高いことが玉に傷で、5千円とか余裕でするんだよね・・・
愛用の丸善HGS分子構造模型 |
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