一般向け/高校生向け楽しい化け学
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バイト先の塾から帰宅。午前1時前。
電車が人身事故のため止まっていた。
筆者が駅のホームへ行くと、目の前に電車がホームに途中まで頭を突っ込んだ形で止まっていた。
普段目にしない作業着のおじさんたちがホームにたくさん居た。
どうやら、そのときまさに「人命救助」が行われていたらしい。
絶対にそうとは限らないが、かなりの確率で自殺であろう。
何が彼または彼女をそこまで追い詰めたのだろうか・・・
先日センター試験があったが、かつて筆者がセンター試験を受けた数日後、どこかの県で自殺した人がセンター試験を悲観して自殺したのではないかというニュースが流れた。
かなり残念なことである。
正直なところ筆者は思うのだが、試験なんて所詮人生の通り道のひとつの関所でしかない。
点数が悪かったから・入試に落ちたからといって悲観ばかりしていても仕方ない。
この先にもっとたくさんの試練が待ち受けている。
むしろ多少の入学した大学のランクよりも、そこでいかに頑張ったかの方が大きなファクターになることは多いと思う。
有名大学でも頑張らなければ就職も何もないし、頑張ったらそれなりに逆転できるかもしれない。
が、「だから受験なんて別にいいや」っと言うことではない。
自分が出せる最大限を使って、自分が行ける最高のランクの大学を目指すべきだ。
受験で頑張れなければ大学に入ってからの勉強も頑張れないだろうし、仕事についてからも頑張れないだろう。
だから、筆者の言いたいことは、
「精一杯に勉強を頑張れ!なぁに、失敗しても死ぬわけじゃない、胸張って臆せずに試験受けて来い!」
っということである。
そうすれば落ちようが受かろうが、その後の人生の栄養になる良い経験・成長になると、筆者は思う。
※ あくまで筆者の個人的見解です。もしかしたら家庭の事情などによりそれでも絶対に失敗できないという人も
いるかもしれないので、そういう方には申し訳ない発言かも・・・
くそう化学じゃねぇ・・・!
重苦しい話ばかりじゃなくて、楽しい化学の話もしましょう。
センター試験といえば、3日前のブログで「アルゴンの原子量覚えてない人~~~」っというのを書いたけれども、試験の冒頭に原子量書いてたのね。
じゃあ原子番号×2の裏技を使わずとも、空気の平均分子量と比べるという方法さえわかっていると問題が解けたはず。
むしろ空気の平均分子量を覚えていない人が多いかも。
実はこれ、簡単に計算で出ます。
"一般常識として"、空気は酸素約20%、窒素約80%の混合気体です。(さすがにこれは覚えておこう!!)
平均分子量はこれらの質量と割合を掛け合わせたものの和と考えられるから
(空気の平均分子量) = 32×0.2 + 28×0.8 = 28.8
となり、約29と簡単に出せる。
「ほとんど窒素だから約28、少し重い酸素もあるからちょっと増えて29」っと覚えたら簡単かも。
一方筆者は一昨日学科の友人と大学のディスカッションルーム的な施設で議論していた化学反応の反応機構が間違っていることがさっきわかった。
"間違っている"っと言ったら言い過ぎかも知れないが、少なくとも「正解」とは言えないような、そんな間違い方。
その反応はギ酸を還元剤として使いつつホルムアルデヒドを反応させてアミンをメチル化するという反応で、「エシュバイラー・クラーク反応」という名前が付いていて有名らしい。
精進精進。
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今日はセンター二日目、いわゆる「理系の日」でした。
さっきネットに上がったセンター化学を早速解いてみました。
解いて見ましたが、特別難しい問題はありませんでした。
ここ数年に比べて今年は計算問題が楽だった気がします。
あと、有機化学も優しめだったと思います。
が、強いて言えば第4問の問4、クメン法を覚えてなかったら厳しい。
クメン法の反応は高校化学では説明ができないので、覚える他にない。
受験では「覚えるしかない」っという面がどうしても存在するのが悲しいところ。
あと第3問の問1、ヘリウム・ネオン・アルゴンの問題。
「これらの気体は、いずれも空気より軽い。」が、アルゴンが空気より重いからあやまり。
気体の空気と比べての「重い・軽い」は、その気体の分子量が空気の平均分子量29より大きいか小さいかで判断する。
例えば水素は分子量2で29より小さいから空気より軽く、風船に詰めると浮いて飛んでいく。
ベンゼンの蒸気なら分子量78だから空気より重く、床に滞留する。
アルゴンは40なので空気より重い。
しかしアルゴンの分子量(単原子分子だから原子量と等しい)を覚えているかどうかも問題。
ここで、原子量は"だいたい"原子番号の2倍になるという裏技がある。
例えば酸素は原子番号8番だから原子量16、合う。
硫黄は16番だから32、合う。
原子番号は周期表を書いたらわかるので、周期表さえ書ければ原子量は大体わかるということになる。
だがあくまで目安であり、例えば原子番号1番の水素は原子量1で合わない。
あと原子番号が大きくなると合わなくなってくる。
53番のヨウ素は原子量127で全く合わない。
アルゴンも、原子番号18だが原子量40でぴったりは合っていない。
しかしまあまあ近いので、今回の問題のようにざっくり大きさがわかればいい場合はかなり有効な方法だと思う。
第3問の問3、黄リンと赤リンの問題なんかも意外と悩む人多いかも。
単体のリンは身近にないからわかりにくいようで。
が、マッチの赤い頭、赤リンです。
マッチの頭は擦ったら燃える。
リンは可燃性と言うことです。
でもマッチは自然発火しないでしょう。
自然発火したらスモーカーは怖くてマッチを持ち歩けませんね。
こう考えると、赤リンは身近にあるし、身近な例から考えると覚えやすい。
一方黄リンは危険で身近にありません。
猛毒で触っただけで皮膚がただれ、空気中で自然発火します。
だから水中に沈めて保存します。
あと、文句を言うなら第3問の問6。
要するにどのイオンの組み合わせなら沈殿するかという問題。
条件の指定がなさ過ぎる。
温度と濃度の指定がないと沈殿するかの評価は出来ない。
"溶ける"食塩だって濃度が高すぎると沈殿する。
温度が変わると物質の溶解度は大きく変わり、「溶解度の低い物質」と「溶解度の高い物質」の溶解度が逆転することなんてよくある話。
「次のイオンの組み合わせの塩は"水に可溶かどうか"~~~」っという問題なら良かったと思うのだが・・・
まあ批判したいわけじゃないのでこのへんで。
明日からセンター試験ですね。
うちの大学も会場になっています。
試験の大敵はテンパることとプレッシャーからの腹痛。
筆者はセンターは体調は良かったのですが、国公立前期入試でテンパったようで思うように結果が出せませんでした。
さて、今日はウェブフォームに高校で先生をしていらっしゃる方から投稿がありました。
しかも気に入ってくれたようで、生徒にも勧めたと・・・
とってもありがたいと同時に凄いプレッシャー!!腹痛くなりそう!!
とりあえず頑張ります!
さて、今日は昨日の天然ゴムと対比される物質:ガタパーチャ(グッタペルカ)について紹介します。
今日の分子 No.39 trans-1,4-ポリイソプレン [-CH2C(CH3)=CH-CH2-]n
Jmolで描画 ※ピンクの部分でこの構造を繰り返します。
(関連:今日の分子No.37、38)
cis-1,4-ポリイソプレンと化学式は同じだが、繰り返し単位が繋がる-CH2-が二重結合に対して反対にあるtrans体である。
南国に生育するガタパーチャノキと呼ばれる樹木の樹液からこのイソプレン単位が100%トランス体で繋がったtrans-1,4-ポリイソプレンが得られます。
ちなみにこの樹液も「ラテックス」と呼ばれるのでややこしい。
すごくややこしいですが「ガタパーチャノキ」から得られる樹液「ラテックス」を「ガタパーチャ」(グッタペルカ)と呼ぶのです。
そしてこのガタパーチャから作られるゴム状樹脂をペルカゴム、もしくはそのままガタパーチャと言います。
ちなみにガタパーチャは「gutta-percha」と綴られるので、読み方を変えると「グッタペルカ」になり、そのゴムだから「ペルカゴム」。
ガタパーチャから作られるゴムも多くの場合ガタパーチャと呼ばれているため、以後ペルカゴムのことをガタパーチャと呼びます。
またガタパーチャも天然に得られるゴムなので「天然ゴム」に分類されそう呼ばれることもありますが、後述のように普通のゴムとはかなり違うので、
以後「天然ゴム」をcis-1,4-ポリイソプレンを主成分とする普通のゴムとします。
ガタパーチャは普通の天然ゴム(パラゴムノキの樹液から作られるパラゴム)と違い、硬くて強靭で弾性が低い。
カチカチの樹脂の様。
だからいわゆるゴムとしては使われない。
天然ゴムはイソプレン単位がシス型に繋がったcis-1,4-ポリイソプレンであるが、ガタパーチャはただそれがトランス型であるだけの違いである。
なぜトランス体になっただけでこれだけ性質が変わってしまうかというと、それは分子の形の違いにある。
シス体は分子が曲がっているが、トランス体は真っ直ぐである。
物質の硬さや融点はその分子同士の凝集力に関係する。
分子鎖がきっちり並ぶと分子間力が大きく働き分子同士は強く結びつき、硬かったり融点が高くなったりする。
分子が曲がっているシス体はきっちり並ばせることが難しく分子間力は弱い。
これは不飽和脂肪酸で構成される油脂の融点が低いことと同じ理由である。
一方トランス体は真っ直ぐなため、分子は平行にきっちり並ぶことができ、分子間力は大きく働く。
なので天然ゴムはやわらかいが、ガタパーチャは硬い。
ガタパーチャはゴムとしては使われませんが、他の用途で大活躍しています。
ゴルフボールの外皮が主な用途。
他にも、ライカ等の高級カメラのボディーに本革の代わりに使われたりするようです。
これは、グッタペルカは吸湿性が低く耐腐食性が高いからです。
また「ガタパーチャは空気中では酸化しやすいが,水中では無限の寿命をもっているため,海底電線用の絶縁体として重要であった。
しかし,現在は合成樹脂に置きかわっている。」らしいです。(出典:社団法人日本ゴム協会HP)
さあ今日はついにイソプレンゴムについて!!
しかも今日の1コマ目の高分子材料化学の授業がたまたまゴムの話で、個人的にはなかなかホット。
その授業の先生はかなり面白くて好きです。
今日も突如授業を受けている数十人の学生全員に市販の太目のゴムバンドを配ったかと思えば
先生「はい、力いっぱいゴムを伸ばして顔に当てる!」
っとおっしゃって、学生たちはみんなゴムを伸ばしては顔にくっつけるというシュールな光景になっていました。
先生「伸ばすとゴムは熱くなりましたね?これがGough-Joule効果です。」
っと。
こういう授業は「生きている」と感じられて楽しいです。
っと午前中は楽しんだ後、午後の実験はヘマをするという悲しさ。
分液漏斗にスターラーピース(攪拌子:磁力で回って攪拌できる器具)をボチャッと落としました。。。
しかも油断して手袋しないで濃硫酸扱ってたら指に付いたし・・・
っと、そんな筆者の日常生活。
と言うことで、今日はcis-1,4-ポリイソプレンと言う物質から化学Ⅱでも出てくる「合成ゴム」と「イソプレンゴム」の違いを主に紹介。
今日の分子 No.38 cis-1,4-ポリイソプレン [-CH2C(CH3)=CH-CH2-]n
Jmolで描画 ※ピンクの部分でこの構造を繰り返します。
イソプレンが1,4付加でシス型に重合した高分子。
「ポリイソプレン=イソプレンゴム=天然ゴム=ラテックス」
っと思っている人がいるが少々違う。
まず「天然ゴム」とは。
パラゴムノキという南国の木から採れる樹液を(狭義の)ラテックスという。
(広義のラテックスは、もっと一般に高分子が水中に分散した乳化液を指す。)
この樹液(ラテックス)にはcis-1,4-ポリイソプレンが含まれている。
このままではただの白いどろどろの樹液だが、硫黄を加えて乾燥させると輪ゴム等でお馴染みの茶色いゴムになる。
硫黄を加える(加硫と言う)理由は、ポリイソプレンの分子鎖同士が-S-S-結合や-S-S-S-結合などで架橋され強い弾性が現れるからである。
すなわち、「天然ゴム」とは原料の「ラテックス」に「加硫」と言う操作をして得られたゴムである、と言うことである。
天然ゴムは「NR」と略されることもある。
※ 「天然ゴム」は人工合成のゴムに対して天然ゴムとも言うので、必ずしもパラゴムノキから採れるcis-1,4-ポリイソプレンのゴムとは限りません。
社団法人日本ゴム協会HPによると、「天然ゴムといえばパラゴムをさし,他の植物から採取されるゴムを野生ゴムと呼んで区別しています。」で、パラゴムノキから作られるいわゆる天然ゴムを「パラゴム」と呼ぶらしいです。(2011/1/15加筆)
ちなみにラテックスから作られたゴム手袋などの製品を「ラテックス製品」と言うが、これにはパラゴムノキの樹液ラテックスに入っているたんぱく質などが混ざっているためアレルギーを起こす人もいる。
次に「イソプレンゴム」とは。
イソプレンという分子を"人の手によって"付加重合し得られたポリイソプレンを加硫し作ったゴムをイソプレンゴム(合成ゴム)と言う。
要するに天然ゴムをまねて人工的に合成したゴムである。
しかし天然ゴムはほぼ100%シス体のポリイソプレンであるが、人工的に合成するといくらかトランス体が混ざってしまう。
イソプレンゴムがゴム弾性を示すにはシス体でなければならないため(分子が曲がっているから)、ゴム弾性としては天然ゴムのほうがいいと言われたりする。
が、天然ゴムはラテックス由来のたんぱく質やゴミを含むが、人工合成するとそれがないなど、一長一短両者には少し違いがある。
人工のイソプレンゴムは「IR」という略号も使われる。
まとめると、「イソプレンゴム」は「イソプレン」を付加重合して人工的に合成した「合成ゴム」である。
なぜシス体がゴム弾性を発現するのに適するか、加硫はなぜ必要か、加硫するとどこに硫黄が付くか・・・等は書き出すととても長いため、また今度そのコラムを書こうと思います。
とりあえず今回は天然ゴムとイソプレンゴムの違いについてでした。
(あれ?「昨日」書いたブログが日付変わってて「今日」になっちゃってたから本日二度目のブログ更新になってしまった!)
皆さん有難うございます!
1日あたりの閲覧者数が、昨日1月12日初めて100人を超えました!!
具体的には104人でした。
有難うございます!!
そして・・・
先週から言ってるように、イソプレンゴムを紹介する予定なんですが、ちょっと今日も激烈な睡魔に襲われていて断念・・・
「朝から大学 → 塾でバイトして日付変わってから帰宅」の生活は地味に夜眠い・・・
しかしちゃんと生きておりますのでご安心を(?)
ここ数日の間にあったことは、英語で去年のノーベル賞のクロスカップリングの簡単なプレゼンをしたり、やたらと数学な化学計算をしたり、学校内で自転車失くしたり(←半日後発見、盗られたとかではなく大量の自転車の群れに埋もれていた)・・・
眠い・・・申し訳ないですが、寝ます。。。
明日(今日だけど)の実験は安息香酸とメタノールを・・・ZZZ・・・
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