一般向け/高校生向け楽しい化け学
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つい昨日アセチルサリチル酸を合成したので、今日の分子はそれで。
今日の分子 No.57 アセチルサリチル酸 C6H4(COOH)(OCOCH3)
Jmolで描画
慣用名:アセチルサリチル酸。
商品名:アスピリン
IUPAC名称:2-acetoxybenzoic acid
代表的な消炎・解熱・鎮痛薬。
昔はアセチル化されていない普通のサリチル酸C6H4(COOH)(OH)が解熱鎮痛薬として用いられていたが粘膜を刺激し胃を痛める副作用があった。
1897年にバイエル社(独)のFelix Hoffmanはサリチル酸をアセチル化することにより副作用の少ないアセチルサリチル酸を合成した。
なぜアセチル化により副作用が低減できるか → 『隣接基効果~アスピリンとサリチル酸の酸性度の違い』 を参照。
画期的で、20世紀初頭に大ブレイクした超有名医薬品である。
現在でも用いられている。
◎ ちなみに「半分はやさしさでできています」のバファリンもアセチルサリチル酸である。
(小児はアセチルサリチル酸でライ症候群なる病気を引き起こしうるので、子供用はアセトアミノフェンを使っているらしい。)
サリチル酸、アセチルサリチル酸、アセトアニリド、アセトアミノフェンなどは高校化学Ⅱで出てくる重要な医薬品物質です。
(『今日の分子No.33:アセトアニリド』、『今日の分子No.36:アセトアミノフェン』も併せてお読みください。)
アセチルサリチル酸はサリチル酸C6H4(COOH)(OH)がアセチル化されたものである。
サリチル酸に無水酢酸(CH3CO)2Oを反応させて得る。
サリチル酸のアセチル化 → アセチルサリチル酸
ちなみに「-COCH3」(酢酸の-OHが外れたもの)をアセチル基といい、アセチル基を導入する反応をアセチル化反応という。
筆者もこの方法で合成しました。
合成したのち再結晶をし、綺麗な結晶を得ることができました。
アセチルサリチル酸の結晶 2011/06/16 筆者撮影
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