一般向け/高校生向け楽しい化け学
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明けましておめでとうございます!!!
1日は忙しくブログ更新できず、昨日のブログではナチュラルに忘れてて言い忘れてました!・・・・・
はい、ところでこのサイト、なんと本日で訪問者数3000を超えました!!!
本当に有難うございます!
最近ウェブフォームへの投稿も出てきたし、ついにちょっとはまともな化学サイトになってきたような・・・
でもまだまだです、皆様今年も宜しくお願い申し上げます。
さてさて、三が日だというのに今日は塾でバイトでした。
で、今年最初の化学の問題を解かせると、塾生達は結構中和滴定にてこずってました。
等量点を求める中和滴定は基本的に式が
(H+の物質量)=(OH-の物質量)
って言うのしかありません。
あとは薄めるとか何とか、この式で求めたモル濃度や滴下量に飾りが付くだけです。
例えば次のようなときに迷うようです;
「C mol/lのH2SO4 V mlを滴定するのにC’mol/l の水酸化ナトリウムがV’ml必要であった。」
酸や塩基の価数が変わると難しいようで、2倍するのか1/2倍するのか迷うようです。
しかし、この場合なら硫酸1分子は2つのH+を発生するので、上の式で考えると
2CV = C’V’
となります。
何も難しくありません。
単にH+とOH-の量を考えただけです。
たぶんこのことさえ完璧にわかればほとんどの中和の問題が解けてしまうと思います。
逆滴定など、いろんな種類の酸や塩基を加えた場合でもこの考え方で簡単に解けてしまいます。
よく、
(酸の価数)×(酸のモル濃度)×(酸の体積)
=(塩基の価数)×(塩基のモル濃度)×(塩基の体積)
という公式を見かけますが、これはまさに上のH+とOH-の量の考え方です。
この式を覚えておくと迷わなくて良いですが、公式を覚えるだけというのは応用性がないです。
逆滴定などややこしい操作が挟まれるとたちまちわからなくなります。
だから
(H+の物質量)=(OH-の物質量)
というのを理解して使いこなせるようにしましょう。
これが最も応用が利きます。
なお、
(酸の価数)×(酸のモル濃度)×(酸の体積)
=(塩基の価数)×(塩基のモル濃度)×(塩基の体積)
の式の出てくる「(酸の価数)×(酸のモル濃度)」は、ある意味酸が出しうるH+の濃度を表します。
すなわち単位体積当たりの或る酸の水溶液のH+を出す能力を表します。
これを酸の能力を考慮した"新しく決めなおした濃度"、その名も「規定度」と呼びます。
同様に塩基の場合も(塩基の価数)×(塩基のモル濃度)を塩基の規定度と定義します。
すると上の公式は
(酸の規定度)×(酸の体積)=(塩基の規定度)×(塩基の体積)
というように簡略化されます。
これは非常に便利で、大学の滴定の実験ではこればっかり使います。
例えば「0.050 mol/lのリン酸」と問題に出てきたらそのリン酸の規定度は
(リン酸の規定度) = 0.050 mol/l × 3 = 0.15 mol/l (=0.15 N)(←単位は"N"とも書かれます。)
となります。
また「0.20 mol/lの水酸化バリウム」は
(水酸化バリウムの規定度) = 0.20 × 2 = 0.40 mol/l (=0.40 N)
となります。
これは非常に便利で、これだけ定義しておくと、
「そのリン酸水溶液10.0 mlを滴定するためにその水酸化バリウム水溶液はV ml必要だった。」
と出てきたら
(リン酸の規定度)×(リン酸の体積)=(水酸化バリウムの規定度)×(水酸化バリウムの体積)
⇒ 0.15 N × 10.0 ml = 0.40 N × v ml
⇒ v = 3.75 (ml)
と簡単に出てきます。
(ちゃんと単位を書いたら、わざわざリットルに直さなくてもmlのままで簡単に計算できます。結構これが出来ない人が多い。)
こうしたら「物質量の比は・・・割るんだっけ掛けるんだっけ・・・」っと悩むこともありません。
同じ考え方で酸化還元滴定にも使えるんですが、むしろそっちのほうが重宝するかも・・・
っと、結構使える規定度です。
ちなみに昔は高校でも教えてたらしいです。
また今度規定殿使い方を酸化還元滴定の場合も含めてまとめてコラム書こうかな。
ただし、一番大切なことは、公式ではなく(H+の物質量)=(OH-の物質量)等の根本的な関係を理解することです。
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