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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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昨日のクロロフィルで、実際に生物がもつ分子は非常に複雑であることが多いことを紹介しました。

ついでなので今日もたんぱく質でいってみましょう。

今日の分子 No.20、プリオン


Jmolで描画 ※多重結合省略


問題になった牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)の原因物質と言われるたんぱく質。

健康な牛の体内には正常プリオンと呼ばれる普通のたんぱく質があるのだが、これが立体的に変性して異常プリオンになるという。

この異常プリオンが原因で発症するという説がプリオン説であるが、まだ確証はないらしい。


しかし上のモデルを見てもちっとも構造がわからない。

たんぱく質を構成しているのは種々のアミノ酸であるが、議論したいのはたんぱく質の立体的な形である。

筆者が使っている分子描画ソフトJmolにはこんな機能がある。


Jmolで描画


これは上と同じプリオンである。

ぱっと見劇的に変わったが、これはたんぱく質の立体的な構造のみに着目した表示方法なのである。

ピンク色のクルクル巻いたような構造を「α-ヘリックス構造」、黄色のシート状の構造を「β-シート構造」といい、またこれらの立体的構造を「二次構造」という。

構成するアミノ酸の水素結合の仕方によって立体的な形が決まり、このような構造になる。

ちなみにα-ヘリックスもβ-シートも二次構造も高校の化学Ⅱに出てくるので何気に重要。


もう一つわかっていなければならないことは、たんぱく質はあまり強くない水素結合により立体的に形作られた脆い分子であること。

だから熱をかけたり重金属イオンが入ってくると構造が壊れてしまう。

たんぱく質は立体構造が崩れると機能を果たさなくなり、狂牛病や重金属障害などの症状を起こす。


◎ 参考
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