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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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最近ちょっと更新が滞っていました。

いや~色々ありました。

実験データを詰め込んだ命のUSBメモリをなくしたり・・・

レポートの提出期限を一週間勘違いして、気づいた日に「え!明日!!?」

・・・

とりあえず今は落ち着いています、はい。



さて、昨日面白い話を大学の講義で聞きました。

化学の雑学としてなかなか面白いと思うので、ちょっと紹介してみます。



題1;

硬式テニスボールはなぜ缶に入れて売っているのか?



缶に入れて密閉して売っている硬式テニスボール(amazon)


硬式テニスボール(プレッシャーボール)は缶に入れて売っている。

テニスをやっている人なら知っている。(と思う。)

袋に入れていてはいけない。

何故だろうか?

結論を言うと、

缶の中は2気圧に加圧してあって、ボール(空気圧:1.8気圧)から空気が抜けてしぼまないようにしているから。

であるという。

通常の状態、すなわち1気圧でテニスボールを置いておくと、ボール内部の圧力の方が高いためボール内の空気は自然と漏れ出てしぼんでしまう。

すると弾性が変わってうまくプレーできなくなる。

プロ試合ではプレー中に何度かボールを変えるというほど、小さな変化もプレーに影響するらしい。

ゆえに保存しておくときは加圧状態で密閉しておくということらしい。


これでも「へぇー」という感じだがまだ続きがある。


題2;

硬式テニスボールには空気穴がない!?

プロ用の硬式テニスボールにはヘソ(空気穴)がない。

もしあったらそこから中の空気が漏れやすいので、上に書いたように厳密に硬さを決めているのにプレーしたらすぐしぼんでしまってダメになってしまうのであろう。

では派生してこんな問が生まれてくる;


どうやって製造時テニスボールに空気を入れているのか?


実は、化学反応を利用してボール内部で気体を発生させています

まず半分の球を用意します。

ここへ亜硝酸ナトリウムNaNO2と塩化アンモニウムNH4Clを入れ、球を閉じます。

するとイオンの交換が起こり、鍵となる亜硝酸アンモニウムNH4NO2が生成します。

NaNO2 + NH4Cl → NH4NO2 + NaCl

ここで生じたNH4NO2は分解すると窒素を生じます。

NH4NO2 → N2 + 2H2O

この窒素でボールを内部から膨らませるのです。




テニスボール製造での、ボール内部での気体発生反応


こういう仕掛けで、外から空気を入れずにボールを膨らませることができるのです。

ちなみに硬式テニスボールを振ると音が鳴る(らしい)ですが、それはこれによって生じた水やら食塩が入っているからだとかなんとか。

また、食塩が副生しているはずなので、内部を舐めるとしょっぱいはずです。

実際筆者の大学の先生がテニスボールを割って中を舐めてみると本当にしょっぱかったという。
(この先生本当に尊敬します 笑)

ちなみに最初から亜硝酸アンモニウムを入れれば良いんじゃないかと思いますが、亜硝酸アンモニウムは爆発性があり取り扱いが難しいためこのように間接的に発生させているらしいです。


◎ 参考

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