一般向け/高校生向け楽しい化け学
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以前「脂」と「油」の違いを紹介しました。
(『油脂 ~油と脂~』)
同じようなグリセリンと高級脂肪酸のエステルである油脂なのに、モノによって固体(脂)だったり液体(油)だったりします。
それはなぜかと説明するために、以前は構造式を描いてその分子の立体的な形がシス型の二重結合の有無によって違うということを説明しました。
・・・が、図が下手だし、微妙でした。
っと思っていたとき、このことを説明するとても良い図を『第3版 マクマリー 生物有機化学 生化学編』という本で見つけました。
構造式ではなく、3Dの分子モデルを使っていたので立体構造がわかりやすく、「脂」と「油」の違いが一目瞭然でした。
っということで、それがとてもわかりやすかったので3D分子モデルで図を描き直しました。
これが「脂」と「油」の構造の違いです。
「脂」である油脂。飽和脂肪酸から成る。
「油」である油脂。シス型の不飽和脂肪酸から成る。
「脂」は綺麗な形の分子ですが、「油」はイビツな形をした分子です。
これが固体か液体かを決める要因になっています。
詳しくは『油脂 ~油と脂~』をご覧ください。
ちなみにこの2分子、3Dモデルを描くのに結構時間がかかりました・・・
(ChemSketchという構造式や3Dモデルが描けるソフトを使っての筆者の手作りです。)
C-C結合は自由に回転できるので、立体構造にはたくさんの可能性があります。
求める形を目指して、微妙に角度をずらしてはオプティマイゼーション(構造最適化)を繰り返す地味な作業・・・
ちなみにChemSketchは平面の構造式を3Dに構造最適化したとき、自動的にC=Cはトランス型にしてくれてしまうようです。
シス型を求めていたので、ここを地味に手作業で直すのが結構な手間。
でも結局頑張った甲斐あってなかなか満足のいく3D分子モデルができました。
で、3Dモデルを作る作業に勤しんでいたら現在午前4時。
もう後三時間も寝る時間がねえ・・・
◎ 参考
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