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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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昨日ホームセンターで三角フラスコ(300mL、¥820-)を買いました。

結晶作りしていると面白いことに気づいたので台所でちょっと実験しようかと。

ということで今回は三角フラスコを紹介してみます。


今日の器具No.6 :三角フラスコ


パイレックスガラス製300mL三角フラスコ
2011/9/8 筆者撮影


かなりポピュラーな実験器具。

円錐型であり、横から見た形が三角のフラスコである。

世間で専らこれは「三角フラスコ」と呼ばれるが、実は化学系の人間はこれをあまりそう呼ばない。

普通、化学の人はこれを「エルレンマイヤーフラスコ」という。
(英語でもそう呼ばれるようです。)

もしくは「エルレンマイヤー」や「マイヤーフラスコ」等と略して呼ぶ。

これは考案者エミール・エルレンマイヤーから来ているらしい。

☆ エミール・エルレンマイヤー(1825-1909)
19世紀のドイツ人化学者。
リービッヒ(リービッヒ冷却管の考案者)やケクレ(ベンゼンのケクレ構造式の考案者:ケクレもリービッヒの弟子)やブンゼン(ブンゼンバーナーの考案者)の下で学んだという。
三角フラスコの発明以外にも、ナフタレンの発見やケト-エノール互変異性についての功績があるらしい。


筆者自身、大学2年の冬くらいになってやっと実験の時に先生が言う「エルレンマイヤー」が「三角フラスコ」であると理解した。

全く当たり前にこれは「三角フラスコ」だと思っていたので、まさか別の呼称があるとは微塵も思っていなかったのでなかなか衝撃であった。

が、今となっては「エルレンマイヤー」の方が当たり前になっていて、逆にバイト先の塾などで説明するときは「エルレンマイヤー・・・じゃなくて三角フラスコと言おう・・・」と考えてからじゃないと「三角フラスコ」と言えなくなるほど「エルレンマイヤー」が定着してしまった。

そのくらい化学の場ではこのフラスコは「エルレンマイヤー」と呼ばれます。


三角フラスコは、スタンドに固定しないと手が離せない丸底フラスコと違って、底が平らなのでそのまま置けるという画期的なフラスコである。

溶媒や溶液の一時保存、加熱して物質を溶解させたり、再結晶操作を行うとき等によく用いられる。

口に”スリ”や”ツメ”のあるものもあり、溶液の保存時にスリ栓をしたり、再結晶のために飽和溶液を作るため加熱還流するときに冷却管を取り付けたりもできる。



よくやる使い方。加熱還流をするため玉付き冷却管を差す。
ChemSketchを使用して作図。
ちなみにChemSketchの実験器具テンプレートでも「Erlenmeyer flask」と表記されている。


ちなみに、試験管・ビーカー・フラスコはきちんと使い分けなければならない。

例えば溶媒を置いておくときにはよく三角フラスコに入れるが、ビーカーに入れておくのはあまり良くない。

というのも、ビーカーは口が広いので空気中のホコリが入ったり、横から他の薬品が跳ねて混入したりしてしまう恐れがあるからだ。

三角フラスコは口がすぼまっているためゴミが入りにくいし、それに揮発性溶媒を入れてもあまり蒸発しないで済む。

☆ ちなみになんでもかんでも栓をしたら良いというわけではない。
エーテル等の揮発性溶媒を入れてスリ栓をすると、内圧が上がって栓が飛ぶ恐れがある。
実際ジエチルエーテルをマイヤーフラスコに入れてスリ栓をして盛大に栓が吹っ飛んでいった場面を見たことがある。


このように、三角フラスコ ―― エルレンマイヤーフラスコはなかなか使い勝手の良い素晴らしいフラスコなのです。


◎ マイヤーフラスコはホームセンターやamazonでもよく見かけますね。


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