一般向け/高校生向け楽しい化け学
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ルイス構造式・・・ってあれ?
高校じゃルイス構造式って言わないんでしたね。
「H:H」とかの表記法を「電子式」って言うのでしたね。
普通、この表記法を考案者のルイスさんにちなんでルイス構造式と言います。
(まあ名前はどうでもいい。)
今日は塾で分子の形や極性をレクチャーしてました。
分子の形を考えるのには、まず電子式を理解せねばなりません。
電子式で分子を表現できたら、あとは電子対反発則、すなわち電子対(結合電子対と非共有電子対)同士が反発するという簡単な法則から分子の形を決めることができます。
(分子のカタチ参照)
次に極性です。
極性とは分子全体で見た電荷の偏り。
H-Clなら電子は塩素原子の方に引かれ、水素の方がδ+(少し正に帯電)、塩素の方がδ-となり、すなわち極性があるといいます。
H2Oなら?
O-H結合は、もちろん水素より電気陰性度の大きな酸素が電子を引きますが、問題はO-H結合が二本あることです。
分子全体の電荷の偏りはそれぞれの結合の電荷の偏りのベクトル和であらわされ、水分子の場合なら下図のように分子を串刺しにするように電荷の偏りがあり、極性分子だと言えます。
各分子の、結合の電子の偏りと分子全体の電子の偏り(極性)
一方二酸化炭素では?
C=O結合はOがCから電子を引きます。
が、二本のC=O結合の電荷の偏りは逆向きに同じ大きさのベクトルなので、分子全体で見て和を取ればキャンセルし合って消えてしまい、すなわち二酸化炭素は無極性分子だと言います。
メタンも同様、空間的なのでわかりにくいですが、ベクトルの和はゼロベクトルで、無極性分子です。
このように、たとえ電気陰性度の違う原子と結合を作っていても、分子の形によっては極性がないことがあります。
だから分子の形は重要。
よって電子式も重要。
電子式なんていつ役に立つんだという人もいますが、こういうときに役立つのです。
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