一般向け/高校生向け楽しい化け学
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今日(厳密には昨日)の実験はひどかった・・・
密栓した試験管を加熱するときは内圧に気をつけましょう、栓が飛びます!
その試験管ではラジカル反応を起こしていました。
密栓した試験管をウォーターバスで加熱、要するに試験管ごと鍋で煮詰めていたのです。
すると・・・ポン!!っと音が鳴って栓が吹き飛びました。
単に試験管内の温度が上がって内圧が高くなっただけでなく、直前に溶液に窒素を通じていたので、溶けていたそれが気化したのも原因だったのでしょう。
(酸素はラジカル反応を阻害するので除く必要があるため窒素を通じて追い出していました。)
栓が吹き飛んだだけなら良いのです。
開いたら内圧が通常に戻るので、栓をし直せばいいだけだからです。
しかし悲劇が起こりました。
ウォーターバス(要するに湯沸かしの鍋)に倒して浸けていた試験管が滑り落ちて、その空いた口から加熱用のお湯が入ってしまったのです。
発狂。
最初きれいなオレンジ色だった溶液が汚いクリーム色に・・・
そして無色透明な均一溶液が出来上がるはずなのに、クリーム色の大量のゲル状沈澱を生成してしまう結果に・・・
とりあえず先生に助けを請う。
すると「どうするべきか自分で考えなさい。転んでもただじゃ起きないという精神で。」と。
まずどうすべきか・・・
とりあえず、生成したのは予定していたポリマー(かそれに類似したもの?)だと予想。
というのも、本来反応系にはある程度水が含まれていたので、水が混入しただけで生成物が大きく変わることはないかと。
そのポリマーは使っていた有機溶媒には溶けるが水に溶けないので、水が混入したことで析出してしまったのだと予想。
何とかしてこのぐちゃぐちゃの反応系からポリマーを分離精製したいところ。
作戦;
ポリマー入りのぐちゃぐちゃのゲルをできるだけ少量の溶媒に溶かす。
→貧溶媒(目的物質が溶けない溶媒)に溶液を注ぎ込むことでポリマーを再生させる。
とりあえずゲル状物質の隅っこを取ってメタノールに入れてみる・・・溶けない・・・
DMSO((CH3)2SO:ジメチルスルホキシド;有機溶媒)に入れてみる・・・溶けた!!
まず邪魔な水をできるだけ捨てるために上澄みを捨て、ゲルをさじで押して水気をできるだけ切る。
DMSOをビーカーに取ってきて、そこへゲルを投入。
が、溶け切らない!
溶かすため溶媒を足したら、次は再生するときが大変になるのでダメ。
ホットマグネティックスターラー(要するにホットプレート)を持ってきて、ビーカーを熱する。
変な匂いの湯気が出てきたが気にしない。
しばらく熱しながらかき混ぜるとデンプン溶液のような、水のり状の無色透明な均一溶液に!
メタノールをデカいビーカーに汲んできて、熱いままこの溶液を注ぎ込む・・・
と、奇麗な白色のポリマーが再生!良かった良かった!
本来対照実験に使うつもりで、色々生成条件が変わってしまったので目的の実験データにはならなかったが、生成反応・生成物の考察にはなりました。
なにより良い勉強になったので良かったです。
・内圧には気をつける。
・案外生成物はできている。
・ぐちゃぐちゃなものができても根性で精製できる。
・・・・
という日常。
毎日楽しいですよ(笑)
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