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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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昨日電気屋をうろうろしていたら火災感知器が売っていました。

天井につけるヤツです。

今や設置が義務付けられたりしている火災感知器。

しかしその原理は多くの人が知らないと思います。

それもまさかある種のそれには天然には存在しない放射性元素;原子番号95番のアメリシウム(Am)などが使われていようとは・・・


煙感知器という感知器の一種があります。

これは設置した部屋で火事が起きると、その煙を感知して自動的に火災報知機に信号を送るものです。

この煙感知器の一種に、イオン化式煙感知器というものがあります。

これにはアメリシウム241という原子が使われています。


周期表を見てみてください。

アメリシウムはウランよりも重い、周期表の最後の方に位置する天然に存在しない元素です。(ちなみにウランが天然に存在する一番重い元素です。それ以降の元素を超ウラン元素といいます。)

95番アメリシウムは94番プルトニウムの原子炉内の核反応で生成します。

非常に強い放射能を持ち、高レベル廃棄物に含まれます。


質量数241のアメリシウムは半減期432.2年で、常にアルファ線(ヘリウム原子核)を放出しながら崩壊します。

煙感知器では崩壊時に放出するこのヘリウム原子核、すなわちHe2+イオンを利用します。


簡単に原理を説明します。

感知器は、2つの電極を離して設置し、近くにアメリシウムを置いています。

この電極には電圧をかけておきます。

普通電極を離していると回路が切れているため電極は流れません。

しかしアメリシウムが電極間にヘリウムイオンを出し、これは荷電粒子なので電極間で移動可能なため電流が流れます。

電気分解でイオン性の溶液に電極を入れると電流が流れますが、これの気体版です。

この状態で火事が起きて煙が電極間に入ってくると、それが邪魔になるので流れる電流が小さくなります。

この電流の変化を計測することで煙を感知するのです。

かなり高感度であり、費用対効果が優れているので諸外国では主流らしいです。

一方、アメリシウムの合成は難しく、さらに放射能も強く、廃棄も困難であるためある程度は高価になってしまいます。


放射性の激重元素が役に立つ珍しい例です。

ほとんどの超ウラン元素は日常生活には役立たずで、むしろ放射線を出すので危険です。

今原発事故で放射能がよく取り上げられていますが、「首都圏の大気に0.00何ミリシーベルトの放射能が~~」なんて値は微々たるもの。

その値が相対的にどのくらいの危険さに相当するのかを理解しないまま、とても危険であると強調して報道している。

自分の部屋の天井で核反応が起こっていたりするのも知らずに、微々たるレベルの放射線で騒ぐメディアは滑稽。

マスメディアは話題性を重視していて、時にはただ世の中を不安にし混乱させるためだけの情報を流すことがあるので要注意。(だってそっちのほうが視聴率取れるし、雑誌が売れるからね。)

ちなみに、福島県の屋外をうろうろしてガンになる危険性よりも、タバコを吸っているほうがずっとガンになる可能性が高かったりするとかなんとか。
(正しい調査結果を見たわけではないので本当か筆者は知らないが、たぶんその通りタバコのほうが危ないと思う。)

知識を付ける、これがわが身を守るための一番大切な方法かと思う。
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