一般向け/高校生向け楽しい化け学
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およそ2ヵ月半前、結晶作りにチャレンジして失敗しました。
2011/02/19の記事
前回失敗した原因は結晶がすぐ落ちてしまったことと、飽和水溶液と思っていたのに種結晶がどんどん溶けてしまったことでした。
今回、もう一度ホウ砂Na2B4O5(OH)4・8H2Oでチャレンジしました。
前回のホウ砂水をあの時のまま、約2ヶ月半放置して水を蒸発させ、ビーカーの底に結晶を作りました。
この結晶を種結晶として、あらかじめ用意しておいたホウ砂飽和水(今回こそ飽和してるはず)に入れて蒸発法で結晶を作ります。
手順;
1. エナメル線の先をアルコールランプで加熱・赤熱させ、ホウ砂種結晶に突き刺し、結晶を一部融解させエナメル線にくっ付けた。
2. 同様に、計5本の種結晶付きエナメル線を作った。
3. 5つの容器を用意した:ペットボトルを切ったもの×2、ビーカー、試験管、ツナ缶。
4. 各容器にホウ砂飽和水溶液を入れ、種結晶付きエナメル線を垂らした。
5. 5つの容器にほこりが入らないように次の措置を施した。(通気性は損なわないようにした。)
・ ペットボトルを切ったもの、ツナ缶;ティッシュの一枚(二枚組みのを剥がした)をかぶせた。
・ ビーカー;ペットボトルの口のほうを切ったものをかぶせた。(要するに天井の穴を小さくした。)
・ 試験管;措置なし。(はじめから口が小さい。)
6. (予定) 数ヶ月放置し、水を蒸発させ過飽和状態を作り、種結晶を成長させる。期間中必要あらばホウ砂飽和水溶液を足す。
種結晶付きエナメル線
今回のポイントは二つ。
まずエナメル線に、種結晶をくくりつけたのではなく、溶かし付き刺した点。
こうすることにより、より強くエナメル線に種結晶を固定し、落ちてしまう可能性を低くした。
ミョウバンの結晶作りではこうするようだが、ホウ砂の場合でも「ジュッ」と音を立ててエナメル線が結晶内部に突き刺さりくっつけることができた。
二つ目のポイントは、容器のバリエーションを増やしたこと。
口の大きさが大中小となっている。
口が広い容器のほうが空気との接触面積が広いため水が蒸発しやすいと考えた。
一方で口が広いとほこりが入りやすくなるリスクがある。
ほこりが入ると、ほこりを結晶の核として小さな結晶ができてしまい、種結晶が成長が妨げられる。
さ、今回は成功してほしいな~
取り合えず種結晶が落ちないことを願う!!
あと、5つもあるから成功確率は大きいはず!!
とりあえず数ヶ月待ちましょう(気長!!)
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今日(厳密には昨日)の実験はひどかった・・・
密栓した試験管を加熱するときは内圧に気をつけましょう、栓が飛びます!
その試験管ではラジカル反応を起こしていました。
密栓した試験管をウォーターバスで加熱、要するに試験管ごと鍋で煮詰めていたのです。
すると・・・ポン!!っと音が鳴って栓が吹き飛びました。
単に試験管内の温度が上がって内圧が高くなっただけでなく、直前に溶液に窒素を通じていたので、溶けていたそれが気化したのも原因だったのでしょう。
(酸素はラジカル反応を阻害するので除く必要があるため窒素を通じて追い出していました。)
栓が吹き飛んだだけなら良いのです。
開いたら内圧が通常に戻るので、栓をし直せばいいだけだからです。
しかし悲劇が起こりました。
ウォーターバス(要するに湯沸かしの鍋)に倒して浸けていた試験管が滑り落ちて、その空いた口から加熱用のお湯が入ってしまったのです。
発狂。
最初きれいなオレンジ色だった溶液が汚いクリーム色に・・・
そして無色透明な均一溶液が出来上がるはずなのに、クリーム色の大量のゲル状沈澱を生成してしまう結果に・・・
とりあえず先生に助けを請う。
すると「どうするべきか自分で考えなさい。転んでもただじゃ起きないという精神で。」と。
まずどうすべきか・・・
とりあえず、生成したのは予定していたポリマー(かそれに類似したもの?)だと予想。
というのも、本来反応系にはある程度水が含まれていたので、水が混入しただけで生成物が大きく変わることはないかと。
そのポリマーは使っていた有機溶媒には溶けるが水に溶けないので、水が混入したことで析出してしまったのだと予想。
何とかしてこのぐちゃぐちゃの反応系からポリマーを分離精製したいところ。
作戦;
ポリマー入りのぐちゃぐちゃのゲルをできるだけ少量の溶媒に溶かす。
→貧溶媒(目的物質が溶けない溶媒)に溶液を注ぎ込むことでポリマーを再生させる。
とりあえずゲル状物質の隅っこを取ってメタノールに入れてみる・・・溶けない・・・
DMSO((CH3)2SO:ジメチルスルホキシド;有機溶媒)に入れてみる・・・溶けた!!
まず邪魔な水をできるだけ捨てるために上澄みを捨て、ゲルをさじで押して水気をできるだけ切る。
DMSOをビーカーに取ってきて、そこへゲルを投入。
が、溶け切らない!
溶かすため溶媒を足したら、次は再生するときが大変になるのでダメ。
ホットマグネティックスターラー(要するにホットプレート)を持ってきて、ビーカーを熱する。
変な匂いの湯気が出てきたが気にしない。
しばらく熱しながらかき混ぜるとデンプン溶液のような、水のり状の無色透明な均一溶液に!
メタノールをデカいビーカーに汲んできて、熱いままこの溶液を注ぎ込む・・・
と、奇麗な白色のポリマーが再生!良かった良かった!
本来対照実験に使うつもりで、色々生成条件が変わってしまったので目的の実験データにはならなかったが、生成反応・生成物の考察にはなりました。
なにより良い勉強になったので良かったです。
・内圧には気をつける。
・案外生成物はできている。
・ぐちゃぐちゃなものができても根性で精製できる。
・・・・
という日常。
毎日楽しいですよ(笑)
二日前、フェノール樹脂の一種のレゾール樹脂を作りました。
フェノール樹脂は三次元網目構造を持つ高分子で、代表的な熱硬化性樹脂。
ホルムアルデヒドとフェノールを酸性条件下で重合させるとノボラック樹脂が、アルカリ性条件下で重合させるとレゾールが得られます。
レゾールはそのままではドロドロの粘性液ですが、加熱したり酸で処理すると硬化します。
酸処理したレゾール樹脂 2011/4/19筆者撮影
今回は
・ホルムアルデヒド水溶液と、加熱して溶融したフェノール(フェノールは常温で固体)を試験管に入れ混合し、アンモニア水でアルカリ性にする。
・試験管ごと湯で煮詰めること1時間。
・試験管の底にドロドロのレゾールが沈殿し生成。
・要らない上澄み液を捨て、酢酸を加えて加熱しながらよく混合する。
・試験管ごと湯で煮詰めること2時間。
・試験管の底に硬化した樹脂が得られるので、試験管を叩き割って取り出す。
という手順で合成。
写真の樹脂が弾丸型なのは試験管の底の型だからです。
今回作ってみるとビミョーに失敗作。
というのも、量が少な目で、かつ硬さがイマイチ。
冷ますとそれなりに硬いプラスチックになったが、まだ熱い内に取り出したときはゴムみたいにブヨブヨであった。
先生曰く「なんじゃこりゃー!綺麗で透明度はすばらしい。でもやわらかすぎ!」と。
原因はアンモニア水がうまく混ざらないまま加熱してたから、混ざった頃にはアンモニアが飛んでアルカリ性がしょぼくなっていたからかなとか考察。
酢酸が入っているためか、作ったレゾール樹脂はマヨネーズ(ないしは絵の具)みたいな匂いがします。
ここ最近、そしてこれからしばらくは英語漬けっぽいです。
朝っぱらから「君、予習してきた?ちゃんと調べました?」っと先生が厳しくご指導してくださる化学英語。
中学校みたいに一人ひとり当てて立たせて英文一文読ませて訳させるのがすばらしい。
能力の育成という観点では素晴らしい事この上ないし有難いのだが、やっぱり当てられて問われるのはなかなか怖い。
(英文地味に難しいし・・・筆者が英語苦手なだけかも知れないが・・・)
化学英単語のテストもありました。
朝最寄の駅から学校へ歩いていると、後ろから学科の友達が走りよってきて
友達「三角フラスコ!」
筆者「えるれんまいやーふらすく!」
友達「アントラセンのつづり!」
筆者「anthracene!」
友達「ピンセット!」
筆者「ツイーザーズ!」
友達「発音がおかしい!トゥィーザーズ!」
とか叫びながら走って登校。
(ちょっと遅刻しそうでやばかった。)
ハタから見ると変な人たちである。
そして最近解いてる物理化学の演習問題もなかなか趣があります。
物理化学とは、要するに物理学な内容を数学を使って解くことにより化学的知見を得ようとする学問。
で、数学で物理で化学な難しい問題なのだが、なんとその問題が英語で書かれているという面白さ。
日本語で書かれていたらもっと素早く解けるのだろうが、英語で書いているとなかなか難しい。
特に、わかっているようでわかっていない単語を見て題意を取り違えて、解けるはずもない設定で解こうとしてしまうのが痛い。
化学をするためにも、物理・数学・そして英語の知識が(ただその問題集を解こうとするだけでも)必要とされているわけである。
要するに、ぶっちゃけどんな学問を専攻しようが他のたくさんの学問にある程度知識がなければ発展的なことができない。
すなわち自分が専攻している学問すら全く満足に進められないのだ。
だから自分の専攻にとらわれずできるだけいろんな科目を勉強すべきだ。
・・・・ということが最近ようやくわかってきた。
筆者は数学と英語が苦手で今痛い目に遭っている!
◎ オススメ;
筆者が使ってる化学英語の教科書で、CDもついてて「アッソゥザイリン」("オルト-キシレン")とかネイティブの発音聞けます。
やっと気づいた「広く学ぶ大切さ」
ぜひ皆様にもできるだけ多くの学問に知識を持ってほしいです。
それが社会貢献できる、社会が求める人材になるための重要な要因であると筆者は考えました。
筆者は今期はやってやるぜ・・・!
先日、筆者が最も尊敬する准教授の先生と喋っていました。
筆者のその研究領域への熱い思いを語っていると、先生が言いました。
「君は視野が狭い。固執しすぎ。頑張っているのはわかるし情熱は良いと思うけど、もっと広い知識が必要。 しっかり考えよ。もっと多岐にわたって勉強すべし。」
かなり心に響いた。
心のうちを見透かされているような気がして、なにか自分の考え方に問題があることがわかった。
丸二日間程自分に何が必要なのかよく考えてみた。
ちょうどそのとき、筆者の父親が仕事の話をしてくれた。
今統計学を使って他社と戦ってるだの、仕事のできる人間になるためはその人の専門+「付加価値」が必要だの・・・
そしてそのとき筆者の高校の先生が、筆者が高校時代に教えてくれた「たくさんの学問を学ぶ必要性」の図を思い出した。
准教授、父、高校の先生が言っていることが根本的には同じということに気づき、話が繋がった。
こんな感じの図だった気がします。
学問は根本では全て繋がっているという考え。
そして2つ以上の学問が被っている領域があるという。
例えば物理と化学が被っている箇所。
具体的には量子化学という、量子力学(物理)と化学を組み合わせた物性や化学反応を予測し理解する学問などがある。
これは物理も化学もできなければ理解できない。
このような2つ以上の学問が複合した領域が重要であり、いくつかの学問を組み合わせるとかなり広くそして深く応用的に 学問を理解することができるようになる、と。
たくさんの学問について知見を得なければならないと気づいた。
化学の範囲で言うと、有機化学だけでなく無機化学もできなければ筆者の今望む研究成果(有機半導体材料)は出ない。
さらに、これにはもちろん電子物理の知識も必要になってくる。
また、今考えている化学の領域だけでなく、もっと広い視野での学問的知見もないとこの先々新たなアイデアはでないだろう。
もちろん一生同じ領域を研究することは時代の流れが許さないため、そのときは他の分野でアイデアを出さなければならない。
だから、一見あんまり関係なさそうな学問でも、できるだけ広い範囲で学問的知見を得るように努力しようと考えた。
そのため今期取る授業を考え直した。
筆者の専門は化学である。
が、今期、電子デバイス工学、生命化学、そして統計学を取る事にした。
卒業所要単位がなんちゃらとかは考えていない。
自分により高い能力を付けるために、自分に必要な科目を持ってきた。
今まで数学から逃げていた自分がいたが、もう逃げない。
さらに、なんと経済学まで取る事にした。
人間社会で生きている以上、研究職でも企業就職でも誰でも必要な知見であると考えた。
もちろん教職系の科目も取っている。
この学問はすばらしく、実際教員として働くわけでなくとも人間として必要な能力(コミュニケーション能力とか)を養ってくれる。
こんな風に勉強することが広い学問的知識を持つ人間になるための第一歩になると考えた。
社会貢献のできる人間に。
今日(日付変わってるから厳密には昨日)、ちょうど上の図を教えてくれた高校の先生に会ったので、筆者がこのように考え いろんな科目を取ることにしたと言うと、
先生「お、やっと気づいたか。種をまいてよかった。教師は種まきする職業。いつ芽が出るかはわからないけどな。」
さあ人生がもっと楽しくなってきた!
しかし強いて言うなら経済の単位。
筆者、
「中学公民ですでにズッコケてる部類の人間」
であるのがさっそく不安の種だ!!(笑)
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