一般向け/高校生向け楽しい化け学
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最近は更新頻度が低かったです。
テストに実験、レポートとあれもこれも一気に押し寄せるからしんどかった・・・
ま、実験やらレポートは常に毎週あるんだけどね。
さてさて、今日は計算化学演習という授業がありました。
これは分子軌道計算ソフト「WinMOPAC」というソフトの計算練習をしたりするんですが、
慣れないパソコンでの化学計算であるためかみんな結構苦戦してます。
しかし、筆者はこのソフトを高校生の頃から使っているのでなんのその。
このHPにある多くの分子の画像はこのソフトを使って描いています。
このソフトは分子の形や電子の密度、分子軌道の形、生成熱などを計算することができます。
例えば先週の「今日の分子」の硫酸では、分子の形の計算結果は
WinMOPACで計算・描画 ※二重結合省略
生成熱;188.13025 kcal/mol
水素原子の電荷:+0.325(水中)
となりました。
分子の形が分かれば分子模型を組んだりして遊べて楽しい。
また、今回はH原子が+0.325の電荷を持っているという結果です。
すなわちこのHはもともと強くδ+になっているためH+になって電離しやすい、
すなわち硫酸は酸である、ということも計算で予想できます。
他にも先月(2010/11/29)のブログのように、結合角を捻じ曲げるシミュレーションなんかもできます。
という面白くて便利なソフトで、ゲームよりハマると思うんですけどね。
このソフトはオープンソースでフリーなのでネットで製作者HPからダウンロードできるのですが、
専門の英語のページだしソフト自体の使い方も結構難しい。
(だから授業でやってるんですけどね)
しかし「実践 量子化学入門」という素晴らしい本があって、これにWinMOPACの使い方(遊び方ともいう(笑))が詳しく
載っていて、その上ソフトもCDで付いているという優れもの。
筆者も高校生の時これで勉強したし、大学で今その授業でも使っています。
ホントお勧めです。
(なんか宣伝みたいになってしまった)
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硫酸にやられた・・・ジーンズに穴が開きました・・・
憎き硫酸の図
WinMOPACで計算・描画 ※二重結合省略
WinMOPACで計算・描画 ※二重結合省略
ポツポツポツと大小5箇所の穴が空きました。
濃硫酸には脱水作用があるため服に付いたら穴が開き、砂糖にかけたら炭化してしまいます。
もちろん皮膚に付いたら火傷を負います。
しかも硫酸のタチの悪いところは、不揮発性であるため服などに希硫酸が付いた状態でしばらく置いておくと
水分だけが飛び濃硫酸になり、時間差でその攻撃力を発揮するところです。
おそらく硫酸が付いたのは一週間前。
ジーンズのフトモモの部分に落ちた小さな硫酸滴が乾燥して濃硫酸になり、3日後くらいにその猛威を振るったようです。
実験の教科書も硫酸が付いたときは単に「濡れたかな?」くらいでしたが、数日後に開いてみるとその部分がボロボロと崩れ落ちて穴が開くという始末・・・
皆さんも硫酸の野郎には気をつけましょう!!
YouTubeで面白い動画発見。
いろんな意味でかなりヤバイ。
塩素酸カリウムとグミを反応させるらしい。
※ 音量注意、かなり激しく反応します。
Potassium Chlorate and Gummy Bear
※絶対に真似しないでください。
やばくね?
コーラにメントス入れてシュワアアアア!!!っとはワケが違うぜ!!!
こういうことよく外人さんがやってYouTubeとかに投稿するけど、今まで見た中で一番ひどかった・・・
塩素酸カリウムとはKClO3という塩素酸(HClO3)の塩。
強力な酸化剤で、第一類危険物第一種酸化性固体、危険等級Ⅰの超危険物質なのだ!!
塩素酸カリウムは決して加熱したり有機物に触れさせてはならない。
急激な酸化反応が起こり、爆発的に反応する。
が、動画では思いっ切り加熱して有機物(グミ)を突っ込んでる・・・
たぶんグミじゃなくても有機物なら大概こんな風になるような気がする。
しかし赤く光って綺麗・・・じゃなくてかかわいい熊さんグミに何てことするんだ!!!
そして再度注告、ぜったいに真似してはいけません!
◎ 参考
- 『チャレンジライセンス乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト』, 工業資格教育研究会, 実教出版; 改訂版 (2005/10)
今日(厳密には昨日)の実験は散々だった・・・
実験内容は、簡単に言うと第二級アルコールの酸化。
高校化学でもおなじみの
R-CH(OH)-R → R-C(=O)-R
の反応で、第二級アルコールは酸化されてケトンになります。
次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として
C6H5-CH(OH)-C6H5 → C6H5-C(=O)-C6H5
の反応を起こそうとしました。
そのためにC6H5-CH(OH)-C6H5を溶かすための酢酸エチル80mlと、酸化剤の次亜塩素酸ナトリウム水溶液80mlを混ぜる必要があったのですが、実験のパートナーが
酢酸エチル80mlと酢酸エチル80mlを混ぜてくれました。
死亡フラグだ。色も違うから間違いようないだろオイ・・・
反応剤をセットしてしまっていたので、先生と相談して無理やり続行することに。
物は試し。溶媒を入れすぎたのなら反応容器を二つに分けて、そこへそれぞれ酸化剤を加えればよい。
地獄の幕開けである。
そして頑張った。無論本気で頑張った。
1.5時間後反応が終了し、そこから分液漏斗諸々を使っての生成物の分離が始まった。
しかし反応容器が2つあるから不純物の混入やロスも2倍。
分離のしにくい水が生成物と混ざってしまい、どうしようもない状況に。
この後はエタノールを加えて再結晶して精製せねばならないのに大ピンチ。
頑張って真空乾燥したが、どうしても乾燥できなかった。
仕方ないから湿ったまま無理やり再結晶操作に移る決心をした。
院生の先輩に
筆者「頑張ったらいけますよね!!」
院生「頑張ったらいける!!実験は根性でなんとかなる!」
なんとも非科学的な会話であるが、頑張ることに。
そして再結晶。
温めたエタノールに生成物を溶かす。
そして冷やして析出・・・・しない・・・!!
やはり度重なるロスで生成物が減ってしまったことが原因だろう。
絶望的状況。
振動させようが氷で冷やそうが一向に出ない。
しかしその院生の方に手伝ってもらい種結晶を入れてみると、見事析出!!!
歓声を上げた。うれしくてうれしくて、ろ過で結晶を得て精製完了!!
理論上得られる量に対する得た生成物の量の割合を収率という。
合成ではいかにこの収率をあげるかがポイントである。
この合成ではだいたい91%ほどの収率が見込めるという。
逆に言えば、70%とかの収率なら下手くそで、30%なんてクズ野郎扱いだ。
波乱万丈だったが結晶を得られた感動に浸りながら、わくわくして得た結晶の質量を測定。
測定された質量を見ると、もう嫌な予感しかしなかった。
いや、正直なところ得た結晶の量を見た時点で絶望的だった。
生成物の収率;0.3%!!
最近ちょっとこのサイトも人気に(?)なってきました!
来場者数が30人を超える日も出てきました。
ありがとうございます・・・
まだまだ少ないですが、ただの一個人のwebsiteを見に来てくれているのだと思うと、「多いなぁ・・・」っと思ってしまいます。
現在学校からの更新です。
トリス[1,5-ジフェニル-(1,2-η2)-1,4-ペンタジエン-3-オン]パラジウム
というややこしい物質を学校のデータベース検索で探すべくパソコン立ち上げたついでです(^^;)
明日の実験はベンゾフェノンをごちゃごちゃとやります。
また実験ネタがあれば載せます。
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