一般向け/高校生向け楽しい化け学
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唐突ですが、昨日ブルーバックス文庫の『パソコンで見る動く分子辞典』のJmolの分子リストを眺めてたら、こんな分子を発見。
今日の分子No.28、インフルエンザのヘマグルチニン
インフルエンザの表面に存在する糖タンパク質。
「鳥インフルエンザのヘマグルチニン」とか、ヘマグルチニンにも色々種類がある。
インフルエンザやその他細菌はこのたんぱく質を使って感染するらしい。
専門じゃないからこれに関して知識がないからあまり語れないが、
ウィキペディアを見るとなんか面白いというか、エゲツない働きをするということが紹介されている。
ウィキペディアは信頼性が低いけど、「ふーん」程度に調べるのなら便利。
上に掲載してるように単なる分子の画像なら良くわからないが、Jmolで3Dで表示して回転させるとその気持ち悪い分子構造が良くわかる。
なんしか気持ち悪い。バイキンみたいな形をしている。
こんなのが体内に入ってきたらインフルエンザにもなるわ、って思った(笑)
ちなみに糖たんぱく質とは、糖が結合しているアミノ酸が含まれているたんぱく質のこと。
上のたんぱく質でも、たんぱく質の部分(アミノ酸の連鎖:黄色やらピンクやらで表されている)に他の分子(空間充填で表されている)が結合しているのがわかる。
たんぱく質をはじめとする生体高分子はあまりに高等過ぎて、専門外な筆者には全く理解の範疇を超える働きをしてくれる超分子である。
◎ 参考
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今日も前回の実験で使った物質をば。
今日の分子No.27、酢酸エチル CH3COOCH2CH3
Jmolで描画
極性のある有機溶媒で、ヘキサンやエタノールなどほとんどの有機溶媒と任意の割合で交じり合う。
このように油を溶かす性質があるため、マニキュアの除光液にアセトンとともに用いられる。
また沸点が低いため、蒸留や真空乾燥で分離しやすいという特徴があり実験で使われる。
一方日本では第四類危険物(引火性液体)非水溶性第一石油類に分類されていて、結構危ない物質である。
-4℃以上で引火する危険性があり、点火源があると引火してしまう恐れがある。
引火すると激しく燃焼、または爆発する。
また427℃に加熱すると点火源がなくても発火してしまう。
しかも吸引すると中枢神経に影響を与える危険性もあり、大変危険。
カルボン酸エステルであり、「今日の分子 No.16」で紹介した酢酸メチルのエチル基バージョンである。
酢酸メチルとほとんど同じなので参照してください。
酢酸とエタノールに硫酸等の酸を添加して
CH3COOH + CH3CH2OH → CH3COOCH2CH3 + H2O
という縮合反応(エステル化)で生成します。
◎ 参考
- 『乙種4類危険物取扱者テキスト』, 工業資格教育研究会編, 実教出版; 三訂版 (2010/09)
前回の実験に関連して分子を紹介します。
今日の分子No.26、次亜塩素酸 HClO
Jmolで描画
次亜塩素酸は弱酸であり、不安定なため単離できず水溶液としてのみ存在する。
次亜塩素酸やその塩は酸化性があり、酸化剤・漂白剤・殺菌剤として使われます。
例えば次亜塩素酸ナトリウムは家庭用の漂白剤に使われている。酸化剤として使えることは昨日の記事に書いたとおりです。(思い出したくないけど(^^;))
また、水酸化カルシウムと塩素を反応させて作られるCaClO2 (CaCl(ClO)・H2Oとも)はさらし粉として知られ、プールの消毒等に使われる。
次亜塩素酸は水に塩素を通じると生成します。
Cl2 + H2O → HClO + HCl (重要!!)
また、次亜塩素酸塩に強酸を加えると塩素を放ちます。
NaClO + 2HCl → NaCl + H2O + Cl2 ↑ (重要!)
すなわち次亜塩素酸は強酸と混合するとと猛毒の塩素ガスを発生します。
これが漂白剤に書いてある「混ぜるな危険」の意味です。
塩素系漂白剤(NaClO)と酸性洗剤(HCl)を風呂場で混ぜて塩素中毒で死亡した例があります。
逆に言えば、化学的な知識があればこのような事故を未然に防ぐことができます。
「化学者になるわけでもないのに、なぜこんなに難しいことを習わせられるのか」と思う方もいらっしゃるでしょうが、日常生活に溢れる化学物質から身を守るために役立ちます。
他の学問でもそう言えるでしょう。
歴史だって習わないとまた戦争起こしたりするかもしれないし。
だからできるだけ多くの学問を学ぶのが大切なんだと思います。
◎ 参考
- 『チャレンジライセンス乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト』, 工業資格教育研究会, 実教出版; 改訂版 (2005/10)
甲種危険物取扱者試験に受かった。
危険物取扱者免状はすでに乙種で1~6類まで全部とってたから、いまさら甲種取ってもあんまり意味ないんだけどね。
さてさて。昨日の実験でジベンザルアセトンを合成したので、その話で。
今日の分子 No.25 ジベンザルアセトン C6H5CH=CHCOCH=CHC6H5
ChemSketchで描画
金属への配位子として使われる。
多くの大学の化学実験でアルドール縮合の練習で合成されるようです。
水酸化ナトリウムの存在下でアセトンCH3COCH3と、その倍の量のベンズアルデヒドC6H5CHOを反応させるとアルドール縮合が起こりジベンザルアセトンC6H5CH=CHCOCH=CHC6H5が生成します。
CH3COCH3 + 2C6H5CHO → C6H5CH=CHCOCH=CHC6H5 + 2H2O
混ぜるとすぐに反応が始まり透明の溶液がジベンザルアセトンで黄色くなりました。
2010/11/4 筆者撮影
粗結晶を取り出して再結晶すると、綺麗な板状結晶として得られました。
2010/11/4 筆者撮影
今日もさらにこの前の実験(10/29ブログ参照)に関するものをば。
今日は器具ではなく分子で。
今日の分子 No.24 ベンズアルデヒド C6H5CHO
Jmolで描画
最も簡単な芳香族アルデヒド。
酸化されると安息香酸C6H5COOHになる。
とても特異な芳香がする、そうまさに杏仁豆腐の匂い。
実験中みんなで「あぁ・・・なんかいい匂い・・・」と有機化合物の匂いを嗅ぎ続ける(ざるをえない)
というちょっぴりアブナいムードになっていたが、スルーしよう。
ちなみにベンズアルデヒドは杏や桃に含まれているため、本当に杏仁豆腐の匂いがするのだ。
というか、正しくは杏仁豆腐がベンズアルデヒドのにおいがする。
現物はこれ↓
2010/10/28 筆者撮影
先日紹介したように減圧して蒸留したものである。
元々は不純物で黄色かったが、綺麗な透明になって感動。
ちなみに先生が実験中
「みんなもっとテンション上げて!楽しく実験して!!ほら見て、今まさに液面からベンズアルデヒドの分子の粒が飛び出してるのを!ベンズアルデヒドの気持ちになって!!!」
・・・っとちょっと暴走気味であったが、なんしか実験は楽しい。
まあ途中で心折れそうになるしんどいのもあるけどね(むしろコッチのほうが多い??)
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