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一般向け/高校生向け楽しい化け学
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寒いですねえ・・・

空気分子の運動がショボくなった証拠ですね。


実は熱(温度)というのは分子の運動の度合に関係しています。

たとえば熱いお湯に指を漬けて熱く感じるのは、激しく動く水分子が指に激しくぶつかるからです。

温度が高いほど分子は激しく運動します。

1℃上がるごとにどれほど分子の運動が激しくなるかはその分子固有(気体では分子の質量;分子量に依存)です。


では空気の分子はどれくらいの激しさ(速さ)で運動しているのでしょうか。

気体分子の平均の速さvは、気体定数をR[Jmol-1T-1]、絶対温度をT[K]、モル質量をM[kg/mol]とすると

v = √(2RT/M)

と表されます。

空気は平均分子量が約29なので、簡単のため空気が分子量29の単分子で構成されていると仮定します。

温度が常温25℃(T=298K)のとき、上式に代入すると

v常温 = 413 m/s

なんと常温では空気分子は音速以上の速さで動き回っているのです!

また、寒い冬(5℃)、暑い夏(36℃)で同じように計算してみると、

v = 399 m/s

v = 421 m/s

となります。

夏と冬では分子の運動は秒速20m以上違うのです。

そりゃ冬は寒いわ。


◎ 参考
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日本人がノーベル化学賞に選ばれましたね!!

パラジウム触媒の功績ですが、筆者もまだあんまり情報を仕入れてないので今後のニュースに期待。


さて、昨日に引き続き電磁波と身の回りの化学の話をします。

赤外線という電磁波を当てると O-H 結合の振動は活発化しました。

ではマイクロ波という電磁波を水 H2O に当ててみるとどうでしょうか。

今度は結合の伸縮運動ではなく、分子の回転を活発化します。

マイクロ波で回転する水分子


この場合も分子の運動が活発化しているので温度が上がります。

マイクロ波の持つ振動数が水分子を回転させるのにちょうどよいのです。

この現象を応用したのが電子レンジ。

電子レンジは英語で言うと"マイクロウェーブ"。

その名の通りマイクロ波を中にセットした食品に当てる機械です。

その食品に含まれる水にマイクロ波が当たると熱運動が活発化されるので温められるという原理です。


ちなみに分子やその構造によって、どんな波長の電磁波を当てるとどんな運動(回転・振動)が活発化されるかは異なります。

何故かというと、量子化学的に考えるとエネルギーは飛び飛びの値しか取らないから・・・っとなるのですが、多少難解なので今回は割愛。


ちなみにラジオ波では原子核に、紫外線では電子に影響を与え、様々な現象やそれを応用した装置等が研究・開発されています。


今日は大学の講義で先生が赤外ストーブの話をされていたので紹介してみることにしました。

「赤外ストーブ」とか「遠赤外ストーブ」という暖房器具を使ったことがありますか?

スイッチを入れると赤く光るやつです。

Googleで検索してみれば「あーこれかー」みたいな写真がすぐ見つかると思います。

このストーブは、普通のストーブのように火を焚いて部屋を暖めているのではありません。

その名の通り赤外線と呼ばれる一種の光(赤色の光より波長が長い電磁波)を出しているのです。

ではなぜ熱を出していないのに温まるのか、この原理を考えてみましょう。


まず分子というものは、球のような原子が、バネのような結合でつながったものと考えることができます。

なので、原子と原子の結合は常にビヨンビヨン伸びたり縮んだりしています。

ばねのように伸び縮みする分子


また"熱"というものは実は分子の運動の激しさを表しています。

分子や結合が激しく運動・振動すれば温度は上がります。

なので、この伸び縮みの振動を活発にすると温度を上げることができます。


まず、私たちの体の表面や中にはたくさんのヒドロキシ基(-OH)があります。

とくに表面にあるものを表面水酸基といいます。(水酸基とはヒドロキシ基の古い言い方。)

ヒドロキシ基も同様に O-H が伸びたり縮んだりしています。

表面水酸基の伸び縮み


実は赤外線はこの O-H 結合の振動を活発にするちょうど良い振動数を持っています。

したがって赤外線を私たちの体にある表面水酸基に当てれば振動が活発化し、暖かくなります。


という原理です。

赤外線であるのには意味があって、「ちょうど良い振動数」というのがポイントです。

ちょうど良い振動数から大きくなっても、小さくなっても駄目です。

明日は他の場合の「ちょうど良い波長」を紹介します。
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